ジャクソンマティスのデザイナー、渡邊雅義「BMW 733iはサメのような顔がお気に入り」──連載:おしゃれな中古車
エモいクルマを乗りこなす人が増えている。今回はBMW 733iを普段使いする、ジャクソンマティスのデザイナー、渡邊雅義が登場。なぜ約40年前のクルマに惹かれたのか。ミントコンディションで乗り続ける彼に話を訊いた。 【写真を見る】エモいBMWのディテールをチェック!
快適装備はおしゃれに必要なし
「おしゃれとは──ガマンですね」 現場に到着するやいなや、「ジャクソンマティス」のデザイナー・渡邊雅義は愛車を眺めながら、額から滝のように流れる大汗をバンダナでごしごしと拭う。4年前に購入した「BMW 733i」は、1979年式の中古車とは思えないほどコンディション抜群。内装も純正で当時のまま。エアコンも生きているはずだが。 「効かないんです。夏は朝晩以外、ほぼ効きません。ドイツ車だからなのかもしれませんが暖房がメインで、冷房自体も弱め。いや、弱めではないですね。スイッチをいれても、この生温かさは”送風”といってもいいんじゃないかな……」 春夏秋冬、大変な思いをしてまで乗り続ける理由は、単純にかっこいいからだと断言する。 「適度の角張った全体のフォルムやしっとりとしたペイント。あとはサメの頭部に似ていることから”シャークヘッド”と呼ばれている、フロントノーズ部分が特に気に入っています」 もともと古着やヴィンテージトイが大好きだったことから、旧車に興味をもったのも必然。これまでクルマは旧車以外、乗ったことがない。 「現代には絶対にないデザインじゃないですか。街を走っている新車と比べたら利便性は雲泥の差ですが、それを差し引いてもあまりあるほどの魅力が、旧車にはあると思っています。ちなみに以前はヴァナゴン(フォルクスワーゲン ヴァナゴン)に乗っていました」 次に狙っているモデルは、特に決めていないという。 「このBMW「733i」は偶然の出会いとノリで決めたので、次も素敵な出会いがあればノリで買うんだと思います。あ、でも一つだけ決めているのは、今度こそエアコンがちゃんと効くクルマということ(笑)」 ■渡邊雅義(わたなべ・まさよし) ジャクソンマティス デザイナー 1973年生まれ。新潟県出身。ヴィンテージアメリカンファション&グッズコレクターでも知られ、スケートT シャツからスウェット、トイまで多岐に渡る。毎週水曜はサーフィンに興じる。
文・オオサワ系 編集と写真・岩田桂視(GQ)