ボクシング 昨年高校生Vの國府縞鈴、全日本選手権2階級制覇 姉・紗鈴依も初優勝 史上初!同大会での姉妹同時優勝達成
ボクシングの全日本選手権最終日は1日、東京・墨田区のひがしんアリーナで男女各階級の決勝が行われた。女子バンタム級は昨年大会で高校3年生ながら女子フライ級を制した國府縞鈴(こくふ・こりん、19)=日体大1年=が、安達星奈(介護老人保健施設ロマン)に3回1分54秒RSC勝ち。2階級制覇を達成した。 女子ライト級では姉・紗鈴依(さりい、20)=日体大2年=が、鈴木雅子(コサカ)に1回2分49秒RSC勝ち。初優勝して、史上初の同大会での姉妹同時優勝を成し遂げた。縞鈴は女子技能賞、紗鈴依は昨年大会で縞鈴が選ばれた将来性豊かな選手を表彰する墨田区長賞を受賞した。 先に試合した縞鈴は1、2回をともにフルマークで取って勝利を濃厚にすると、3回にカウンターの右ストレートでスタンディングダウンを奪取。続けざまに右ストレートをクリーンヒットし、試合を終わらせた。「2連覇することができてうれしい。倒せてよかった」と笑顔を見せた。 11月30日の準決勝では昨年の世界選手権代表の成田華(日体大4年)と初対戦し、5-0の判定で勝ち切った。「昨日が山場って自分でも思ってやってて、昨日勝負だった。昨日を乗り越えられたんで、今日は楽に緊張もなくできた。準決勝で勝てたのが自信になったので、自信を持ってリングに上がれた」。自信満々のボクシングで安達を圧倒した。 「この大会の優勝は通過点」を言い切る大器は2028年ロサンゼルス五輪での金メダル獲得を狙う。優勝インタビューでは姉に「絶対優勝しろよ」とエールを送った。 それを受け取ってリングに上がった紗鈴依は、1回に左ストレートでスタンディングダウンを奪い、さらに左ストレートでダウンを追加。レフェリーは試合を止めた。「久しぶりに良い結果を残せたので良かったです。昨日より動きが硬くて、心配でやばいなって思いながらやってたんですけど、なんとか良いパンチを決めれて良かったです」と喜んだ。 現在は妹と2人暮らしで、友達みたいな関係で仲良しだという。実家の熊本から母が約2週間に1度、大量に送ってくれる、縞鈴は減量食、紗鈴依は増量食を食べて、この大会に備えてきた。「空手のときから全国大会で2人で優勝することはなかったので、こんなに大きい舞台で優勝できて良かったです」。会場で応援した両親の前で、2人そろって最高の恩返しを果たした。(尾﨑陽介)