二枚看板と中軸対決 報徳学園-愛工大名電 センバツ第5日見どころ
◇センバツ高校野球1回戦(22日、甲子園) ◇愛工大名電(愛知)―報徳学園(兵庫) 【写真まとめ】2023センバツ 躍動したドラフト指名選手たち ともに優勝経験があり、高校野球ファンにおなじみの伝統校が顔を合わせる。地元・兵庫の強豪と初戦でぶつかる愛工大名電の山口泰知主将は「くじを引いた瞬間に満員だと思いました。憧れの甲子園で最高の相手とやれる」と心を躍らせる。 勝負のポイントは前回準優勝に貢献した報徳学園の二枚看板を、強打者擁する愛工大名電打線がどうやって攻略するかだ。 報徳学園の主将で背番号「1」の間木歩、背番号「10」の今朝丸裕喜は、大会の注目選手にも挙がる本格派右腕。ともに前回決勝のマウンドを経験しており、直球、変化球のキレはともに一級品だ。間木は完成度が高く、ピンチにも動じない大黒柱。今朝丸は188センチの長身から投げ下ろす最速151キロの直球とフォークが魅力でスケールが大きい。バックも堅守で、昨秋に課題が残った打線も上り調子。間木が「最少失点で勝ちたい」と語るように、打線が援護できれば、勝機が見えてくる。 愛工大名電は昨秋の公式戦でチーム打率3割9分3厘を記録し、出場校で3番目に高い。注目は1年夏から甲子園を知る中軸の「石石コンビ」だ。3番の石見颯真はバットコントロールに優れた左の好打者で、50メートル走は5秒9の俊足。1年時から主力だ。4番の石島健は身長182センチ、体重87キロのがっちりした右打者で、パンチ力がある。倉野光生監督は「(報徳学園は)守備が安定していると聞く。少ない好機を生かす勝負強さが必要」。「石石コンビ」に懸かる期待は大きい。【長宗拓弥】