性暴力救援センター存続を 4万8千人分の署名と請願、大阪府議会に
存続の危機に陥っているNPO法人「性暴力救援センター・大阪(SACHICO)」について、大阪府に活動拠点の確保などを求める請願書と約4万8千筆の署名が4日、府議会に提出された。 【写真】請願書と署名を提出する佐藤晴美さん(左から2人目)=2024年12月4日、大阪市中央区大手前2丁目、甲斐江里子撮影 SACHICOは2010年から松原市の病院を拠点に、24時間態勢で性暴力の被害に遭った人たちへの支援を続けてきた。だが、医師不足や資金不足などを理由に今年度末までに病院から退去するよう求められている。 こうした状況を受け、過去にSACHICOの支援を受けた佐藤晴美さんらが8月からSACHICOの存続を求める署名活動を始めた。11月末までに府内外から4万8463筆が集まった。 佐藤さんらは4日記者会見を開き、署名簿とともに府議会に請願書を提出したと明らかにした。請願ではSACHICOの活動拠点を確保して運営費用を保障することや、公的病院を拠点とする支援センターの設置を府側に求めた。佐藤さんらは「府議会で4万8千人以上の人の声をまっすぐ受け止め、議論してほしい」と話した。 兄から性被害を受け、SACHICOの支援を受けた女性も会見に臨んだ。「命の誕生を喜ぶ一般の産婦人科で待つことなく支援を受けられたのは、病院に拠点があったから」と指摘。性暴力への専門知識をもった医療従事者がいる病院で活動を続ける意義を強調した。 吉村洋文知事はこの日報道陣の取材に、「SACHICOの機能が存続していくように、府としても全力を尽くしたい」と話した。一方で「一つの病院に拠点を置くと負担が集中する」と話し、病院外に拠点を置き、複数の病院と連携するあり方が望ましいとした。(甲斐江里子)
朝日新聞社