キーマンは「ハマス政治局次長」と「コッズ部隊パレスチナ支部長」 イスラエルが命を狙う6人の最重要「標的」とは
アメリカ政府が500万ドルの懸賞金をかけて追う、ハマス政治局次長サレフ・アロウリ(中央) 出典:米国務省テロ犯手配サイト
日本におけるガザ紛争のニュース報道でひとつ気になるのは、ハマスという組織の特殊性があまり伝えられていないことだ。 ハマスの組織上の最大の特徴は、政治部門や社会事業部門などの表の組織と、裏の組織である軍事部門「カッサム旅団」が、組織トップの有力幹部を通じては繋がっているものの、本体の組織同士はまったく別だということだ。だから10月7日の奇襲から現在の戦闘まで、「ハマス」より「カッサム旅団」の動向を追うことが重要になる。そのためにはまず、カッサム旅団の特殊性を知っておくことが必要だ。 ハマスは政党でガザの行政機構でもあるので、政治部門はオープンだ。幹部も組織メンバーも公開されており、幹部の人選もオープンに任命される。対してカッサム旅団では、イスラエルの攻撃を警戒して徹底的な秘密主義がとられている。海外で訓練中の戦闘員を除き、最高幹部含めて全員がパレスチナ国内に潜伏し、最高幹部クラス以外は氏名も秘匿されている。
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黒井文太郎