源助かぶ菜 生産拡大へ圃場を貸し出し 村民には種の無償配布も 【長野県泰阜村】
長野県泰阜村の伝統野菜である源助かぶ菜の生産拡大を図ろうと、同村は圃場の貸し出しと種の無償配布を行う。高齢化により村内の農家が減少する中、「家庭菜園規模でもいいのでかぶ菜を育ててもらい、生産と消費の拡大につなげていければ」と期待している。 借り手を募集しているのは、明島地区にある村所有の圃場。現在は旭松食品(本店・飯田市)が管理しており、その一部を貸し出す。源助大根の栽培も可能で、いずれも種は村が用意する。 1家族につき1畝(約10平方メートル)を5000円で借りることができ、同社のサポートを受けて9月中旬~下旬の種まきから11月下旬以降の収穫までを体験する。かぶ菜約30キロの収穫が見込める。 一方、かぶ菜の種は村内限定で1人5グラムを配布。25~50キロ程度の収穫が期待できる。出荷用の生産を考えている村民に対しては相談があれば追加での配布も検討する。 申し込みはいずれも10日まで。村振興課の担当者は「どんな形でもいいので生産を継承していくことが大事」と強調し、栽培を呼び掛けている。問い合わせは同課(電話0260・26・2111)へ。 ◇ ◇ 源助かぶ菜は野沢菜とは異なり、根元から葉が伸びて葉先が丸みを帯び、しゃもじ状になっているのが特徴。霜に数回当たることで葉の色が赤紫色になり、「独自の柔らかさと甘みが出る」という。 明治時代に愛知県西春町(現北名古屋市)の井上源助氏から伝わり、伊那谷を中心に普及。県の「信州の伝統野菜」にも認定されている。村内では現在、11軒の農家が生産しており、昨年は計1415キロを出荷した。