3歳から母親に顔を蹴られ、キャットフードを食べていたのに「虐待のトラウマ」がない…「マニア物」に出演する43歳AV男優の悲哀
俗にマニア物と呼ばれるアダルトビデオがある。なかでも女優が男優の顔面を踏む、蹴るなど、バイオレンスを含む作品は一部の人たちからの人気も高い。反面、これらの作品の撮影は危険が伴うため、コンスタントに出演し続ける男優の確保が難しいといわれる。 【写真】「あなた、パパの子どもを産んでくれない?」父の子を産んだ17歳女性の絶望 辺土名勉さん(43歳)は、そうしたバイオレンス要素を含むマニア物AVに出演し続ける稀有な男優として知られている。「女性の足が好きだ」と話す彼は、物心ついたころから蹴られたり踏まれたりすることに興奮を覚えたと話す。その熱意は筋金入りだ。
「挿入」には興味がない
「通常のAVと比較すると、女性から顔面を蹴られたりすることに特化した作品は少ないですよね。私がこの業界に入る前は、マニア物というジャンルさえ一般には認識されていなかったと記憶しています。学生時代は、たとえば格闘ゲームで女性キャラにわざと負けて、その画面を録画して見返すのを楽しみにしていました。また、昔はパソコンによる高度なコラージュなども作成できないので、雑誌に載っているお気に入りの女性の写真と私の写真をうまく継ぎ接ぎして、蹴られているような構図にして満足していました」 辺土名さんの女性から虐げられることへの妙な情熱は、こんな言葉からもわかる。 「27歳でAV業界に入りましたが、おそらく最初に出演した作品を除いては、いわゆる挿入行為をしていないと思います。AV男優なのに、いわゆる”絡み”をしていないんです。挿入に興味がないわけではないのですが、『わざわざAVに出演してまですることじゃないかな』というのが率直な感想です。もっと自分の性癖で作品に貢献したい思いが強いですね」
3歳の頃、母親から「鼻血が出るほど」蹴られた
多くの女性から顔面を蹴られてきた辺土名さんの鼻の骨は折れ、触るとふにゃりとした感覚が指先に伝わる。女優には、鼻をめがけて蹴るようにオーダーするのだという。 「しっかり鼻を蹴らないと、ずれて頬骨にあたることになります。女優さんが足を痛めてしまうと可哀想なので、真ん中を狙うように言いますね」 辺土名さんはなぜ、女性から虐げられることに喜びを感じるのか。「もしかすると、という心当たりがあります」と話す彼の深層に迫ると、単なる性癖の一言に収まらない苛烈な過去があった。 辺土名さんが育ったのは神奈川県横浜市。母親は彼を18歳で産んだ。記憶のなかの母親は、常に怒り、荒れていたという。 「3歳頃の記憶ですが、怒鳴りながら母が私を何度も蹴っているんです。何に怒っていて、どんな言葉を発していたのか、覚えていません。鼻血が出るほど蹴られて、テッシュを鼻に詰められたのは覚えています。そして、割と日常的にそうしたことがあったと思います」 両親は不仲で、家の雰囲気はよくなかったという。 「父は私を虐待することはなかったのですが、酒飲みでよく家で暴れていました。覚えているのは、父が母をビンタしている場面です。その頃には家族も末期状態で、私が5歳の頃に2人は離婚しました。ただ、私はどちらにも引き取ってもらえず、結局、父方の祖父母と暮らすことになりました」