階段の上りと下り、実は筋トレ効果が高いのは…筋肉先生・谷本道哉「階段を避けてエスカレーターに行列、なんて本当にもったいない!」
◆「よいしょ!」を使っての階段上り 階段を上る動作でも同様に反動で、腱のバネを利用できます。もちろん「よいしょ!」のかけ声はとても有効です。 まず、前足を着地するとき少し前かがみに上体を倒しましょう。そこから「よいしょ!」と切りかえして、上体を起こしながら階段を上ります。 椅子から立ち上がる動作で行うような、上体を前後に振る動きを交ぜた歩き方とでもいえば分かりやすいでしょうか(図2)。 反動動作は本来自然に行うものなので意識しませんが、2段跳ばしや3段跳ばしにチャレンジしてみれば、上体を前後させて、反動を使っていることが実感できるはずです。 この反動の動きを普段から意識して、強めにできるようになれば、ずいぶんラクにスイスイと階段を上れるようになります。階段を上るのも楽しくなる(?)でしょう。 慣れてきたら、1段跳ばしを普段使いにしてみてはいかがでしょうか。ただし、階段を踏み外せば思わぬ事故につながります。十分に気をつけて行ってください。特に雨で滑りやすいときの階段などでは絶対にやらないこと。 なお、人前で「よいしょ!」はちょっと気恥ずかしいかもしれませんね。そのときはやむを得ません、心の中でつぶやきながら階段を上るようにしてみてください。
◆下り階段も筋トレに 階段を上るのは大変ですが、下るのなら息も上がらないし、割合楽にできますよね。実際、エネルギー消費もあまり多くありませんので、有酸素運動としての効果は弱くなります。 しかし、階段を降りる動作は、意外なことに、筋力トレーニングとしての効果がとても高いのです。 階段を下りる動作では、着地の衝撃を筋肉で受け止めます。そのダメージで、筋肉に微細な損傷が起こりやすいという特徴があります。これが「筋肉痛」の原因となります。 実験で階段を上り続ける運動と下り続ける運動を比べてみると、翌日に強い筋肉痛を起こすのは階段を下り続けたほうなのです。この筋肉痛を引き起こす階段下りの刺激が、筋肉を発達させる有効な刺激の一つになるのです。
【関連記事】
- 『池中玄太』から44年。日本人の摂取カロリーは減ったはずなのに「80kgでは普通」になったワケとは…筋肉先生・谷本道哉「世界の全死亡のうち約10%が運動不足に起因」
- 少々のコツで起きている時間がすべて「運動」に変わる!<筋肉先生>谷本道哉流「1分でできる」快適に動く体のつくり方
- ステーキにケーキ、高脂質食品が太りやすいことは経験的にも学術的にも分かっているけれど…筋肉先生・谷本道哉が教える<食べていい脂質><よくない脂質>
- 筋肉先生・谷本道哉<40代に見える50代><60代に見える50代>は何が違うのか?「高齢だから筋トレしても手遅れ」ということは決してない
- 「鍛えていればいつまでも元気!」は残念ながら関節に当てはまらず…筋肉先生・谷本道哉流<関節の負担を減らすちょっとの工夫>とは