仕事でミスをしたら「残業くらいしたら?」と言われました。定時間際ですし、残業なんて「ブラック」ですよね?
働き方改革やコロナ禍の影響により、残業時間は年々減少しているといわれています。労働者の心身の健康を守る上で環境整備が進むことは大変良いことですが、残業がないことを当然と考え過ぎて、一方的に「残業=ブラック企業」と考える人も増えているのかもしれません。 本記事では「残業=ブラック企業」なのかどうか、残業時間の平均や残業の強制が違法に当たるケースも含めながら解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
ブラック企業の特徴とは?
ブラック企業の一般的な特徴は次の3つです。 ・労働者に対して長時間労働や厳しいノルマを課す ・サービス残業や各種ハラスメントが横行している ・前述の環境の中で労働者に対して過度の選別を行う 残業が発生する会社が全てブラック企業に該当するわけではありません。残業時間が違法に多かったり、残業代が支払われなかったりする会社がブラック企業に該当します。 では残業時間がどの程度発生するとブラック企業に該当するのでしょうか?
残業時間の平均は月10時間
法律で時間外労働(残業時間)の上限は原則1月45時間、年間360時間と定められています。1カ月の出勤日が20~22日と仮定すれば、毎日2時間の残業で上限近くに達します。 また臨時的な特別の事情がある場合は上限以上の残業が可能となりますが、その場合でも年間720時間以内、時間外労働+休日労働時間が月100時間未満かつ2~6ヶ月間平均残業時間が80時間以内と定められており、原則の月45時間を超えて残業できるのは6ヶ月までと決められています。 厚生労働省が実施した令和5年分の毎月勤労調査によると、一般労働者の所定外労働時間の平均は1月あたり13.8時間、パートタイム労働者は2.2時間となっており、全体平均は10時間となっています。 一般労働者の平均残業時間との比較や、残業時間上限の「月45時間、年間360時間」に近い残業をしているかということがブラック企業を判断する1つの指標と考えて差し支えないでしょう。