NY市場サマリー(25日)ドル上昇、ナスダック続伸 国債利回りやや上昇
<為替> 主要通貨に対するドル指数が上昇した。今週発表された一連の良好な指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ幅やペースに関する期待が後退する中、週足では4週連続で上昇する見通し。市場参加者の関心は来週発表される10月の米雇用統計に向けられている。 25日発表された米指標では、9月の耐久財受注統計で設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注が0.5%増と、市場予想を上回った。 10月の米ミシガン大消費者信頼感指数の確報値は70.5と、6カ月ぶりの高水準となった。 コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「米経済に対する期待は大幅に再調整され、そのプロセスはほぼ完了したようだ。FRBの政策の道筋はより妥当となり、米国と他の主要経済国との金利差は安定しつつある」と述べた。 終盤の取引で、ドル指数は0.18%高の104.24。週間では0.74%上昇した。 ユーロ/ドルは0.22%安の1.0803ドル。 独IFO経済研究所が発表した10月の業況指数は86.5で、前月の85.4から予想(85.6)以上に上昇した。 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ率は来年にECBが目標とする2%に戻る軌道に乗っていると述べた。 ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、ECBの現在の政策金利は、景気を刺激も冷やしもしない「中立金利」からかなり乖離しているとの見方を示し、引き続き利下げを実施していく方針を示した。 11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が返り咲く可能性が高まっていることもドルへの追い風となっている。トランプ氏は関税引き上げなどインフレ高進につながる政策を実施する公算が大きいとみられている。 CMEのフェドウオッチによると、市場は11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイント利下げが実施される確率を95.6%、金利据え置きの確率を4.4%と織り込んでいる。1カ月前には少なくとも0.25%ポイント利下げの可能性を完全に織り込み、0.5%ポイント利下げの確率も57.4%となっていた。 ドル/円は0.26%高の152.21円。 27日投開票の衆議院選挙の結果への警戒感が漂う。また、日銀は30、31日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決める公算が大きい。 ポンド/ドルは0.02%安の1.2969ドル。 NY外為市場:[USD/J] <債券> 国債利回りが小幅上昇した。投資家は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げの方向性を巡る新たな手がかりとなる雇用統計や、米大統領選挙を控えて慎重な姿勢を取っている。 9月の雇用統計が予想を大幅に上回ったことなどから、トレーダーらはFRBのハト派姿勢が弱まると予想し、10年債利回りが23日に3カ月ぶり高水準を付けるに至った。 11月1日に発表される10月の雇用統計は次の大きな焦点となる。ロイター調査によると、雇用者数は12万3000人増加すると予想されている。 ストーンXグループの米国債セールス・トレーディング責任者、スティーブン・ゴラ氏は、市場は雇用統計が再び好調となることを警戒していると指摘。10月は債券にとって通常弱気な月だとも述べた。 INGの米州地域調査責任者、パドライク・ガーベイ氏は、力強い経済指標の発表は「10年国債利回りが急低下する十分な理由がない」ことを意味すると述べた。 CMEグループのフェドウオッチによると、トレーダーらは11月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率を75%と織り込んでいる。 指標10年債利回りは2.4bp上昇の4.226%となった。23日には7月26日以来の高水準となる4.26%を付けていた。 2年債利回りは2.8bp上昇し4.094%となった。 2年債と10年債の利回り格差は13bpでほぼ変わらずだった。 賭け市場では、共和党のトランプ前米大統領が11月5日の米大統領選で勝利し、上下両院で共和党が多数派を占める可能性が高まったとみられている。 米金融・債券市場:[US/BJ] <株式> ナスダック総合が続伸して取引を終えた。大型株が上げをけん引した。 エヌビディアはこの日、時価総額がアップルを抜いて世界首位となった。人工知能(AI)向け半導体への旺盛な需要が株価押し上げに寄与した。これを受け、同社の株価は5.29%高。 米電気自動車(EV)大手テスラは3.36%高。好調な販売見通しを受けて前日は21.9%急騰していた。 アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は、「テスラの数字は、超大型7銘柄『マグニフィセント・セブン』の上昇トレンドはまだ終わっていないという楽観的な見方を再び高めた」と述べた。 銀行株が安い。ゴールドマン・サックスは2.27%下落した。 マクドナルドは2.97%安。腸管出血性大腸菌O157の集団感染が発生した問題で、感染者が75人に増加した。 米中堅地銀ニューヨーク・コミュニティー・バンコープは8.26%安。商業用不動産向け融資を巡り4四半期連続の損失を発表したことが売り材料視された LSEGのデータによると、投資家は依然として、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の追加利下げが行われ、年内に約2回の利下げが実施されるとの見方を織り込んでいる。 「マイケル・コース」を展開する米カプリ・ホールディングスは48.89%下落。ファッションブランドの「コーチ」や「ケイト・スペード」を保有する米タペストリーによる買収計画を巡り、ニューヨークの連邦地裁が、差し止めを求めていた連邦取引委員会(FTC)の訴えを認める判決を下したことを受けた。タペストリーは13.54%上昇した。 S&P11セクターの大半が下落。公益事業が下落の主因となった。 ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.56対1の比率で上回った。 米取引所の合算出来高は115億4000万株。直近20営業日の平均は112億8000万株。 来週は、グーグルの親会社、米アルファベットのほか、アップル、マイクロソフトなど、大手ハイテク企業の決算発表が予定される。 米国株式市場:[.NJP] <金先物> 安全資産としての金需要が支援要因となり、続伸した。中心限月12月物の清算 値(終値に相当)は前日比5.70ドル(0.21%)高の1オンス=2754.60ド ルで、週間では0.90%上昇した。 NY貴金属:[GOL/XJ] <米原油先物> 依然として不透明感が漂う中東情勢や来月上旬に投開票を控える米大統領選を警戒した買いが入り、3日ぶり反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比1.59ドル(2.27%)高の1バレル=71.78ドルだった。1月物は前日比1.51ドル高の71.35ドル。 NYMEXエネルギー:[CR/USJ]