損保大手3グループの3月期決算、円安を追い風に全社が過去最高益を更新
損害保険大手3グループは20日、令和6年3月期連結決算を相次いで発表した。円安の進展による海外子会社の利益増加などを背景に全社が過去最高益を更新した。取引先企業との間で相互に株式を持ち合う政策保有株については、6年度に3グループ合計で1兆5000億円程度の売却を行うなど対応を加速する。 政策保有株は、損保大手各社が関わる企業向け共同保険のカルテル問題で、金融庁が不正の温床になったと指摘。この日の会見で3グループとも将来の保有ゼロに向けた6年度の売却計画を打ち出した。 東京海上ホールディングス(HD)は6年3月末時点で約3兆5000億円ある政策保有株を11年度末までに売却する方針を明らかにした。岡田健司グループ最高財務責任者(CFO)は「6年度は6000億円を売却し、3年後(8年度末)に半減させる」と具体的な削減計画も示した。 MS&ADインシュアランスグループHDも約3兆6000億円(6年3月末時点)の政策保有株を「6年度は6700億円、7年度は7500億円」(田村悟専務執行役員)を売却する方針。11年度末までに保有ゼロとする方針は変えないものの、計画達成の前倒しも検討する。 SOMPOHDは約1兆8000億円の政策保有株のうち「今期の売却目標は2000億円以上」(浜田昌宏グループCFO)とした。12年度末の保有ゼロに向け着実な売却を進める方針だ。