ウクライナ危機は中国「エネルギー安全保障戦略」の何を変えるか
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ウクライナ危機 が深刻化する中、 国際エネルギー市場 では、原油、天然ガス・液化天然ガス(LNG)、石炭などの価格が高騰し、市場不安定化が加速化している。その状況下、ロシア依存度が高い欧州を中心に、世界的にエネルギー安定供給確保とエネルギー安全保障重視の流れが急速に強まっている。 現在、エネルギー安全保障政策の展開は特に欧州の動向が世界の注目を集めているが、翻って見ると世界最大のエネルギー消費国であり、最大の石油輸入国である中国にとってもエネルギー安全保障問題は極めて重要な課題である。そこで本稿では、中国のエネルギー安全保障問題を巡る現状と課題、そしてウクライナ危機を踏まえての中国のエネルギー安全保障戦略へのインプリケーションについて論じてみることとしたい。 中国の一次エネルギー消費は2020年時点で145エクサジュール(10の18乗ジュール、以下EJ)で、世界シェア26%を占める最大のエネルギー消費国である。第2位の米国(シェア16%)を大きく引き離す圧倒的に巨大な消費国となっている。エネルギー消費の内訳は、石炭が最大のエネルギー源でシェア57%、次いで石油20%、ガス8%、水力8%、再生可能エネルギー5%、原子力2%という構成だ。
本文:4,034文字
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小山堅