「あなたから買おうと思う」…素人営業マンでも「大型契約」!?テクニック以上に大切な「不変の」極意とは
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第3回 『「学校の勉強とは違う」…コカ・コーラを日本一売った男が実践する「売れる営業」の神髄』より続く
行動は言葉よりも雄弁
営業という仕事を少し大ざっぱに表現すると、自分たち(自社)のモノやサービスを買ってもらい、対価を受け取ること、となります。とても単純な構造ですが、実際はそう簡単に買ってはもらえません。 では、どうやったら相手に買ってもらえるのか。営業の仕事に就くと、まずこの当たり前の壁に突き当たります。 どうやって営業をするのかなんて、高校、大学時代を通じて学ぶ授業はありません。私の場合も営業の知識を得たのはコカ・コーラに入社してから受けた営業研修が初めてでしたが、そこで学ぶことは本当に基礎的なことです。実際の現場では自分で考えながらどうするのかを決めなければならないことばかりです。わからないことを誰に聞けばよいのか、聞いてどうするのか、という手探りレベルから始めることになります。
“行動”の大切さを教えてくれたある酒店
一方、取引先は営業が新人であろうが、ベテランであろうが関係ありません。こちらの様子を見て、新人だとわかれば少しは手加減して接してくれる人もいますが、ビジネスですから厳しさには変わりありません。 ではどうすればいいのか。「先輩の背中を見て学べ」とか「人のやることを見てノウハウをつかめ」などと言われますが、抽象的なアドバイスばかりで実践では役に立ちません。 そこで我流で取引先との商談のバッターボックスに立ちますが、あえなく3振して、すごすごと引き揚げる毎日が続きます。 新田酒店は住宅街にある小さな酒屋さんです。小学校の先生だった奥さんが店に立って、ほとんど彼女一人で切り盛りしています。店頭にはコカ・コーラの自販機がありますが、設置して随分経つので古さは否めません。 量販店と違ってそれほど手を掛ける時間もないので、私たちも含め多くの業者が注文を聞き終え、納品を済ませるとさっさと次に行ってしまいます。