「どん底に…」海の幸に大打撃 能登半島地震から1か月 名産品や観光業にも影響 富山
日テレNEWS NNN
2月1日で、能登半島地震の発生から1か月。震度5強を観測した富山県の氷見市では、多くの家屋が被害を受けました。 ◇ 富山県氷見市の北大町に来ています。富山県でも家屋の倒壊や液状化現象、断水など大きな被害が出ました。 氷見市は能登半島の“付け根”に位置していて、元日の地震では震度5強を観測しました。この通りは特に被害が大きく、応急危険度判定で危険を示す赤い紙が貼られている家屋が多くあります。 また、雨風をしのごうとブルーシートを貼っている住宅も目立ちます。なかには1階部分が完全に崩れ落ちてしまった住宅もあります。 富山県では1月30日時点で47人がケガをし、6058件の住宅で被害がありました。住む場所に不安を抱える住民が多くいる一方、ここ富山では、観光や特産品への影響も深刻です。 ◇ 富山県で震度5強の揺れが観測されたのは、史上初めてでした。 元日で賑わうショッピングセンターでは、「しゃがんでください、その場で! その場でしゃがんで!」と大声で呼びかけられていました。 住宅の倒壊や液状化など多くの被害があった氷見市。冬は全国的にも有名な寒ブリのシーズン。例年であれば、大勢の観光客が訪れる時期です。 しかし、氷見市では一時ほぼ全域で断水。年間、約120万人が訪れる観光施設「ひみ番屋街」は、一時ほとんどの店が休業しました。 ひみ水産 徳前康宏さん 「コロナがあけて、ブリもとれて観光客も戻ってきたのにどん底に落とされた気分」 先週末にようやく全ての店で営業を再開しました。 地震の影響は、富山県内の名産品にも出ています。 射水市の新湊漁港でせりに並べられたのは、赤々としたベニズワイガニです。津波の影響でかに漁の仕掛けが流され、水揚げ量は例年の4分の1以下だといいます。 3月からのホタルイカ漁を控えた富山市の水橋漁港では… 水橋漁民合同組合 安倍久智組合長 「30センチくらい下がっている」 地面が下がり、大きな隙間ができていました。沖合に設置していた網も地震で全て壊れました。 ◇ そして、観光業界も打撃を受けています。 富山県では、被害の少なかった地域でも宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、その数は2万1000人以上。さらに、今後への不安も… 富山県立山町にある、日本一の大きさを誇る黒部ダム。開発に使われた工事用ルートを観光用に整備した「黒部宇奈月キャニオンルート」が、今年6月に一般開放予定です。 しかし、その出発地点に向かうトロッコ電車の橋が今回の地震による落石で破損。予定通り開放されるのか、影響が懸念されています。 ◇ 永井記者 「流行の自粛ムードからか、富山では被害の少なかった地域でも宿泊のキャンセルが相次いでいます」 藤井貴彦キャスター 「観光への影響が今後、どこまで続いていくのかは心配ですね」 永井記者 「私がいる氷見市では、多くの旅館が断水で休業を余儀なくされました。断水が解消して営業を再開した後も新たな予約はなかなか増えていません。そんな中、観光業者からは『北陸応援割』に期待する声が上がっています。富山・石川・新潟・福井への旅行で1泊2万円を上限に宿泊費の半額を補助する観光支援策で、3月に始まります」 「3月には北陸新幹線が福井県の敦賀まで開業します。関係者は、この新幹線と『北陸応援割』、2つの相乗効果で活気を取り戻せればいいなと話していました」