神木隆之介&杉咲花に、広瀬すずや成田凌も…!10年前の無印ドラマ『学校のカイダン』が日曜劇場や朝ドラの主演俳優を量産できた「納得の理由」
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)で、神木隆之介と杉咲花が共演している。神木は主人公、杉咲は主人公の幼なじみで、ヒロインのひとりだ。12月1日放送の第6話では主人公が告白して、両想いになった。 【写真】深津絵里が表舞台から姿を隠す「知られざる事情」 そんなふたりの姿から思い出すのが2015年1~3月期に放送されたドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)である。舞台は明蘭学園という私立高校。そこでスクールカースト最下層だった女子高生がスピーチ力を武器に「プラチナ8」と呼ばれるカースト最上層のライバルたちと対立しながら友情を育み、学校そのものを改革していくという物語だった。 土曜21時帯ながら全話平均視聴率は9.3 %と、決してヒットした作品とは言い難いのだが、いま振り返ると特筆すべき点がいくつもある。
3人の朝ドラ主役を輩出
この女子高生を演じたのが、広瀬すず。彼女にスピーチを指導する謎の先輩役が神木で、ライバル役のひとりが杉咲だった。広瀬にとってはこれが連ドラ初主演作で、 「人見知りな自分に革命を起こして、共演者の方全員に自分から話しかける!」 という初々しい目標を宣言したり、終わったあとにはこんな感想を語ったりした。 「ここまでモノ作りに熱くなったのは初めてで、みんなに負けたくないって思ってて、みんなのほうができるから。(略)人間としてもものすごい成長したなって、一段ずつ階段のぼったなって思いました」 この「みんな」には、生まれて2年でデビューした神木や、同じく子役出身の杉咲が含まれるわけだ。 しかし、広瀬のその後の「成長」はめざましく、階段を二段三段飛ばしでのぼっていく。4年後にはNHKの朝ドラ『なつぞら』で主演。その翌年、杉咲が『おちょやん』で主役を務め、さらにその3年後、神木が『らんまん』で主役を務めて『学校のカイダン』は3人の朝ドラ主役を輩出することとなった。
「ヒロインの夫」間宮祥太朗、成田凌も
が、このドラマが輩出したのはこの3人だけではない。主人公と対立する「プラチナ8」を演じたなかには、間宮祥太朗や成田凌もいた。朝ドラでいえば、間宮は『半分、青い。』でヒロインの夫、成田は『おちょやん』でやはりヒロインの夫を演じている。ともに、夢や恋に走って離婚してしまい、視聴者をちょっとガッカリさせる役だった。 成田はつい先日も『あさイチ』(NHK総合)に出演した際、当時を振り返り、「大阪の街を歩いてると、バシッと叩かれて『ちゃんとしいや』みたいな。(こういう反響って)本当にあるんだなと思って」と、女性視聴者にいきなり叱られた思い出を明かしている。 ただ、そこまで視聴者を感情移入させたのはヒロインを演じた杉咲と成田の息の合った芝居ゆえだ。『学校のカイダン』以降も共演を重ねていたふたりは『おちょやん』でともに初めての関西弁に挑戦。 杉咲は成田を「同志」と表現したうえで、「ふだん、共演者の方と話さないようなシーンの細かい点も、撮影に関係のない話も、思ったことはすぐになんでも話せるので、成田さんが現場にいると安心感があります」と、語っていた。 また、モデル出身の成田は、当時すでに役者としての実績があった間宮と当初ウマが合わず、10話のうち8話まで口をきかなかったという。が、うちとけてからは親友同士に。成田が21年に『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)でこの関係性を明かしたときには、間宮がVTR出演をして、「おたがいに嫌い合ってのスタートでしたが、ふたりで熱くなるようないい作品ができたらいいですね」とメッセージを送った。 10代後半から20代後半の役者たちがドラマ同様、舞台裏でも火花を散らせていたわけだ。