手元だけで車を運転! トヨタ「NEO Steer(ネオステア)」試乗体験会を「世界パラ陸上in神戸」会場で開催
トヨタ自動車は、「神戸2024 世界パラ陸上選手権大会」の会場で、開発中の新技術「NEO Steer(ネオステア)」を実装した車の試乗体験会を、パラアスリート、一般車椅子ユーザー、報道関係向けに行いました。
パラアスリートの一言から開発が始まった新時代の運転デバイス
この新技術「NEO Steer(ネオステア)」は、アクセル、ブレーキといった足元の操作系をハンドルに集約した新時代の運転デバイスです。 アクセル、ブレーキなどのペダルを無くす事によって、広い足元空間がドライビングポジションの自由度や、スムーズな乗降性を実現します。また、下肢が不自由な方も、両手で安心かつ直感的な運転が可能になります。開発には、トヨタ自動車所属のパラアルペンスキーヤー・森井大輝選手も参加しています。 昨年行われたJapan Mobility Show 2023では、トヨタランドクルーザー250に搭載された車両が展示されましたが、実装車での試乗は、今回が初めてです。
この「NEO Steer(ネオステア)」見た目は四角い長方形をしていて、F1など、フォーミュラシーンで使われるハンドルに似ていますが、ベースになったのは、バイクのハンドル。
機能の構成は、左グリップには、バイクや自転車のような握るタイプのブレーキレバー。右グリップには、親指が来る位置にアクセル。ちょっと離れた奥にもブレーキレバーが付いています。
その他、左グリップ上部に、ウインカー、ワイパー、ライトのスイッチ。中心には、レーンデパーチャーなどの走行系スイッチ、エンタメ系スイッチなどが配置されています。 「NEO Steer(ネオステア)」開発チームの鳥生誠二さんに話を伺いました。 ― 変わった形のハンドルですが、どんな事がきっかけでこの形になったのですか 鳥生さん『開発のきっかけを頂いた森井選手が、バイクに乗っていたことから、バイクのハンドルを元にしました。ただ、そのままのサイズで車につけるのは難しいので、グリップを縦にしようと。そうすると、円形のハンドルと同じようなグリップ位置になりました。 ブレーキもバイクと同じレバーを引くタイプに。ただアクセルは、バイクのように握って操作すると、ハンドルを切ったときに誤操作を起こす可能性があると言うことで、指で押す形になりました。 そのほかステアリングの下の所は、疲れたときに手が置けるように出っ張りを作ってみたり、乗り込むときに、アシストグリップが必要になるので、ハンドルの下のところを繋げて、アシストグリップにしようとか、そういうことで、この形になりました。 難しかったのは、障害をお持ちの方の感覚を感じる事でした。開発の中心となっている私たちは健常者ですので、私たちのスタンダードは、必要としている人達のスタンダードではない。と感じる事が、最初に難しかった事ですね。 技術的な所は、こうしたい言われたものを、具現化するのが私たちの仕事なので、案が出れば試してみる。トライ&エラーでやっていくだけ、これが私たちの仕事ですので』