手元だけで車を運転! トヨタ「NEO Steer(ネオステア)」試乗体験会を「世界パラ陸上in神戸」会場で開催
見た目とは裏腹に、すぐに楽しさを感じる手元だけの運転
「NEO Steer(ネオステア)」搭載車に乗り込むと、足先にあるはずのアクセル、ブレーキがないため、少々の違和感を感じますが、助手席に乗った感覚に似た、足元の広さを感じます。 運転も、右手親指で「押す」アクセルは、ゲームのレバーにも似た感覚で、慣れてくると違和感は消えてしまいます。ちなみにこのアクセルレバー、グリップの裏側まで延びているので、人差し指など、他の指で握れるようになっています。そのおかげで、疲労などによる握力低下などの不安要素が少なくなっています。 ブレーキも、握る力が必要かと思いましたが、電気信号による制御によって、軽い力でも強いブレーキがかかるようになっています。また将来的には、握力の低い方にも個別に対応できるようなシステムにして、購入された方に対応できるようにしたいと考えているそうです。 また「NEO Steer(ネオステア)」では、これまで小回りをする時、ハンドルを90度以上曲げないと回りづらかった最小回転半径も、ハンドルを90度回せば回れる新技術を投入し、ドライバーが運転をしやすいようにしています。
市販化までの壁
「神戸2024 世界パラ陸上選手権大会」の会場にあるトヨタブースでの車両展示も好評で、海外パラアスリートとその関係者、そして日本の観戦者が次から次へと、「NEO Steer(ネオステア)」を搭載した展示用のトヨタランドクルーザー250を見ていきますし、試乗会に参加したパラアスリートや車いす利用者からの評判も上々で、多くの驚きと笑顔を見られたそうです。ちなみに、あるパラアスリートからは、「いつ販売するの?ここに担当者はいないの?今すぐ買うよ」とカードを差し出されたそうです。 そんな開発中の新技術「NEO Steer(ネオステア)」。早期の市販化が待ち望まれていますが、まだまだ壁は高いそうです。 市販化についても、開発チームの高山稔さんに伺いました。 ― 市販はいつ頃になりそうですか 高山さん『この「NEO Steer(ネオステア)」が実用化するためには、法改正とか、安全を担保するための評価試験など、いろいろなものが残されています。 ハードルが高い所は、現在の法律は、<アクセルとブレーキは足踏み>という事が前提になっている事です。「NEO Steer(ネオステア)」は、<足踏みじゃないアクセルとブレーキ>なので、現状だと、その法律に合致しいていません。法改正が必要になってきます。 そして私たちは世界中の国々に対応しなければいけません。各国の法律に対応するように、しっかり調べて、抜けがないようにしていかなければいけません。 皆さんからの期待は感じています。この「NEO Steer(ネオステア)」がお披露目されたのは、去年のJapan Mobility Show 2023で、私も説明員として会場にいて、沢山の方とお話をしました。中には、下肢障害の方が家族にいらっしゃる方がいて、その方は運転が大好きと言うことで、運転補助装置をつけた車に現在乗っているそうなのですが、そうすると、他の家族と車を共有するのが難しいと。車を2台保有しなければいけないと。 でも、この「NEO Steer(ネオステア)」ならば、障害のあるなし問わず、同じ操作で車が運転できるので所有する車は1台で済む。だから実用化に向けて頑張ってください。と励まされました』