手元だけで車を運転! トヨタ「NEO Steer(ネオステア)」試乗体験会を「世界パラ陸上in神戸」会場で開催
世界的パラアスリートもPRに協力
「神戸世界パラ陸上」の会場(神戸総合運動公園ユニバ記念競技場)内にあるトヨタブースでは、この「NEO Steer(ネオステア)」を体感できるシミュレーターが用意され、手だけで車を操る体験が誰でもできる他、「NEO Steer(ネオステア)」搭載トヨタランドクルーザーも展示されています。 そして開発チームの一員であるパラアルペンスキーヤーの森井大輝選手も来場し、見学するパラアスリートや大会関係者、会場に訪れた観客、下肢障害をもつ方や家族の方に声をかけ、この新技術「NEO Steer(ネオステア)」の魅力についてお話をしていました。 そんな森井選手にも、お話を伺いました。 ― 森井選手のお話が開発のきっかけと聞きました。 森井選手『駐車場で、乗っている車から降りる時に、豊田章男会長(トヨタ自動車代表取締役会長)にお会いして、挨拶をしたら会長から「君、このランドクルーザーに乗っているのか? 車の中はどうなっているんだ?」と言われ、車の説明をしました。 (※森井選手の車は、両手で運転ができるように運転補助装置が付いています) アクセルとブレーキは、みなさんが乗っている車のシフトチェンジレバーのように、車体の真ん中に、引くとアクセル、押すとブレーキというレバー・コントロールグリップが付けられています。そしてハンドルには、旋回ノブという器具が付いています。これで、右手でハンドル操作、左手でアクセルとブレーキを操作しています。 その時、困り事ではないのですが「片手でハンドルを操作して、片手でアクセルとブレーキを操作するので、轍などでハンドルをとられたとき、思った以上に車が揺れて、怖い思いをする事があるのです」とお話をしたら、「そうなのか。これは、バイ・ワイアだな。よし!やろう」と言われて、その時はお別れをしたのですが、その日のうちに上司から連絡があって、「会長と何かお話した? プロジェクトが立ち上がったから頑張ってね」と言われました。 僕自身が驚いていたら、1か月後には、ある程度デザインなどまとまったものが作られていて、さらに1か月後には、デザインだった「NEO Steer(ネオステア)」が実物になって出てきたのです。 自動車レースを体験できるテレビゲームのコントローラーとして「NEO Steer(ネオステア)」が作られ、それを使って運転を体験したのですが、とても楽しく運転ができました。 そしてさらに1年後には、「NEO Steer(ネオステア)」の原型となるものが組み込まれた実働車が出来上がり、実際にテストコースで走りました。その時はもう感動しかなかったです。 そのあと、私は競技シーズン(パラアルペンスキー)が始まってしまったので、実際に乗ることはなかったのですが、この神戸パラ陸上が始まる前日、皆さんと同じコースで試乗する事ができました。ブレーキとアクセルのフィーリングとか格段に進化していて、さらに感動しているところです』 ― どんな所に、良さを感じますか 森井選手『運転姿勢が安定するというか。今までは、片手でハンドル、片手でアクセル・ブレーキだったので、どうしても運転姿勢のバランスが悪いのです。なので、ワインディングロードを軽快に走ろうとすると、どうしても体が左右に振られて、ブレてしまい、怖いと感じる時がありました。 しかし「NEO Steer(ネオステア)」では、両手でステアリングを握る事ができるので、体をシートに押し付け、左右に振られる事もなく、指先でアクセルとブレーキをコントロールできます。 さらに、ハンドルを90度回すだけで、最小回転半径で曲がる事ができるようになっています。これまでは、補助器具のノブが付いたハンドルをグルグル回さないと曲がれませんでしたし、体が安定しない中で、急ハンドルをきらなければいけなかった。 しかし「NEO Steer(ネオステア)」ならば、障害を持った人でも、車の性能を最大限に出す事ができるし、しかも安全にドライビングが出来ることになるので、私は<最高だな>と思っています。 そしてこの「NEO Steer(ネオステア)」が搭載された車ならば、僕も運転ができるし、奥さんや家族でも運転ができる、同じ車を乗る事が出来るのです。これまで、車で買い物や旅行に行く時、運転補助器具が付いた車は僕だけ、ついてない車は家族だけしか運転ができなかったので、疲れた時に代わってあげられないという気持ちがあったのですが、この「NEO Steer(ネオステア)」があれば、運転をかわってあげる事が出来る、そういった所も、いいなと思っています。 自動運転技術もいいですが、この「NEO Steer(ネオステア)」に、自動運転技術が補助的についてくれば、楽しいドライブがいつでも、誰とでもできると思います』 と話してくれました。 運転の楽しさを、誰でも、誰とでも共有できる。そんな新技術「NEO Steer(ネオステア)」の登場が待たれます。