【マレーシア】ムスリム訪日意識調査、地方都市も人気
イスラム教徒(ムスリム)向けの飲食店検索アプリの企画・運営などを手がけるハラルナビ(東京都世田谷区)が日本に関心を持つマレーシア人ムスリムを対象に実施した意識調査で、東京、大阪、京都といった主要観光地だけでなく、地方都市への訪問意欲が高まっていることが分かった。 同調査は7月に日本に興味を持つマレーシア人ムスリム564人を対象として、インターネットで実施した。 回答者の9割以上が2年以内に日本旅行を計画していた。旅行スタイルは家族や友人と一緒が多く、滞在期間は1~2週間が主流だった。 訪日旅行の主な動機は文化体験、自然、食事。多くの回答者が日本の多様な魅力に関心を示しており、観光地に対する興味は主要都市圏と有名観光地のほか、地方都市にも広がっている。「大都市以外への地方都市や農村部への訪問にどの程度興味があるか」との設問では、「とても興味がある」との回答が78.9%に上った。 訪問先として興味がある地域(複数回答)については、東京、大阪、京都がいずれも80%以上と圧倒的人気だったが、北海道(73%)、沖縄(57.8%)、広島(41.3%)、岡山(31.2%)、飛騨高山(岐阜県、27%)も上位にランクインした。このほか富士山周辺、日光(栃木県)、軽井沢(長野県)、阿蘇山(熊本県)、知床(北海道)など自然豊かな地域や、名古屋(愛知県)や仙台(宮城県)といった都市も名前が挙がった。 ハラルナビによると、アニメ関連の場所、建築物や文化遺産のある地域、経済発展を学べる場所、退職後の移住先など、特定の目的や興味に基づいた回答が見られた。従来の観光とは異なる、より深い文化体験や長期滞在を求める傾向を示していると考えられる。 また、「観光客が少ない地域」や「日本のあらゆる地域」といった回答もあり、オーバーツーリズム(観光公害)を避けつつ、日本の多様な魅力を探求したいという意欲がうかがえた。 一方、地方ではイスラム教の戒律に従っていることを示す「ハラル」認証を取得している飲食店の拡充や英語の対応が遅れていることも課題だ。日本の自治体や企業への要望として「ハラル食の選択肢拡大」「礼拝スペースの増設」「ハラル認証の取得促進」「英語表記の増加」「イスラム文化への理解深化」などが挙げられた。