ウクライナ軍が東部の集落ニューヨルク方面で逆襲、一部を奪還 増援奏功
ウクライナ東部ドネツク州の集落ニューヨルク(ニューヨーク)の破壊された穀物倉庫に6日か7日、ウクライナ陸軍の第53独立機械化旅団がウクライナ国旗を掲げた。この旗は、1カ月ほど前にロシア軍にほぼ全域を制圧されていたニューヨルクの中心部に、ウクライナ軍が戻ってきたことを告げるものだ。 これは孤立した出来事ではない。ウクライナ軍は東部戦線の複数の正面で反撃に出ていて、ロシア軍の攻勢を鈍らせている。ロシア軍は昨年、東部戦線の複数の軸で攻勢を開始し、そのひとつでは今年2月半ばにドネツク州アウジーウカを占領した後、同州のポクロウシクとその死活的に重要な補給線に向けて進軍している。 ニューヨルクはアウジーウカから北へ20kmほどに位置し、アウジーウカ─ポクロウシク軸とは別の軸にある。 ロシア軍はなお、いくつかの正面で前進している。この週末にはポクロウシクの東13kmほどにある集落フロジウカの一部を制圧した。しかし、ウクライナ軍による反撃はロシア側の計画を狂わせるとともに、ウクライナにとっては、今年に入ってからも長く厳しい戦いが続いてきた東部で、かすかな希望の光になっている。 先月にニューヨルクの失陥を招いたのは、ウクライナ側の兵力不足だった。この兵力不足は、8個かそこらの旅団から引き抜いた精強な部隊でロシア西部クルスク州に侵攻を仕掛けるという、ウクライナ最高指導部が下した評価の分かれる決定も一因だった。 この逆侵攻作戦は、ウクライナ軍による東部の戦線を安定化させる努力を損なった。ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトは「安定化の努力に振り向けられる部隊の数が大幅に減少した」と指摘している。 それでもウクライナ軍参謀本部は、クルスク州でロシア側の脆弱な防御を突くために追加部隊も送り込みながら、5個旅団相当の小規模な予備兵力をどうにか生み出した。一部は、国防省ではなく内務省に所属する国家親衛隊の部隊を活用した。