廃部寸前だった東京農工大学自動車部が不死鳥のごとく復活! 耐久レースに初参戦にもかかわらず見事初優勝を飾りました
予選から決勝までトップを譲らない完全勝利!
スポーツランドSUGO(宮城県)、エビスサーキットやリンクサーキット(福島県)にて開催されている、軽自動車だけで争われる人気レースが「東北660」シリーズです。幅広い年齢層に親しまれ、多くのエントリーで賑わっている中には、大学の自動車部として参戦するチームも多いのが特徴です。今回は、耐久レースに初参戦し、見事優勝した東京農工大学自動車部とインターカレッジレーシングチームの混成チームに注目。勝利を手にした秘密に迫ります。 【画像】学生たちのこだわり満載! 東京農工大学自動車部のダイハツ「エッセ」を見る(15枚)
マシンをチェンジして挑んだ開幕戦
若者のクルマ離れなんて言葉が陳腐に聞こえるほど、20代のエントラントが多く集う「東北660」シリーズ。なかでも「東北660耐久レース」は唯一の学生クラスが設けられ、大学の自動車部を中心に熾烈なバトルが繰り広げられている。 そんなカテゴリーに2024年の開幕戦からエントリーし、初参戦で初優勝したのが「TNUAC & ICRT エッセ」だ。東京農工大学自動車部(TNUAC)と、学校の枠に捉われないインターカレッジ・レーシングチーム(ICRT)の混成チームで、ICRTは創設した当初から東北660選手権に何名ものドライバーが参戦しシリーズチャンピオンを獲得した実績のある団体。ICRTをバックアップするプロショップ「Ztoオート」からの誘いを受け、TNUACが従来より所有するHA23型スズキ「アルト」ではなくダイハツ「エッセ」で参戦マシンを新規製作した。 学生クラスはレギュレーションで改造範囲が厳しく制限され、チューニングは足まわりやブレーキといった基本中の基本のみ。そのなかでパワステを純正の油圧式から電動式に変更し加速をアップさせたり、バッテリーをバイク用の小さく軽量なタイプに交換するといった小ワザを積み重ねている。 改造が認められている部分でこだわったのは足まわり。リバンプストロークとアライメントを煮詰め、安定感とコントロール性を追求した。さらに、吸排気系は低速トルクを損なわないよう、抜けすぎに注意してパーツを組み合わせたとか。