廃部寸前だった東京農工大学自動車部が不死鳥のごとく復活! 耐久レースに初参戦にもかかわらず見事初優勝を飾りました
前日にデータ取りをしてから本番に臨んだ
クルマの準備ができチームとしての体制が整ったのはレース本番間近だったとのことだが、前日からレースの舞台である福島県エビスサーキット入りし、シェイクダウンと燃費のチェックを終えたという。 常連チームも多いなか目標を学生クラス優勝に定め、給油やドライバー交代のタイミングといった作戦を練る。当日は予選で電動パワステのコンピュータが脱落し、いわゆる「重ステ」状態になってしまい緊急ピットイン。幸いすぐにテープや結束バンドで固定できコースに復帰、2位に約1.1秒の差を付けポールポジションを獲得した。決勝では大きなトラブルもなく作戦どおりにラップを刻み、136周とぶっちぎりで見事にトップでチェッカーを受けたのであった。 なお、車両は3週間後にチームのひとりである岩崎悠人さんが、宮城県スポーツランドSUGOで開催の「東北660選手権」5クラスに使用。そちらでも初参戦ながら3位と実力の一端を見せつけた。 ふたつのカテゴリーで華々しくデビューしたTNUACだが、なんと数年前は廃部寸前になるほど寂れていたらしい。残った部員が部として存続させるべく新人を積極的に勧誘したり、ほかのサーキットで行われている耐久レースで実績を残した結果、現在では27名の部員と2台の部車を持つまでに復活を果たしたのだった。 今後はさらに活動の場を広げたいと考えており、個人や企業を問わず応援してくれる方を募集中とのこと。レース参戦だけではなく、走行会の主催まで行うICRTも新メンバーを募っているそうなので、気になる人はSNSを通して彼らとコンタクトを取ってみてはいかがだろうか。 チャレンジャーから一転して追われる立場になった東京農工大学自動車部とインターカレッジレーシングチーム。東北660耐久レースの第2戦は2024年7月14日にリンクサーキットで行われる5時間の長丁場だ。さらに成長するであろう「TNUAC & ICRT エッセ」の活躍に注目したい。
佐藤 圭