日産とホンダ、経営統合検討で基本合意 26年8月の新体制めざす
日産自動車と本田技研工業(ホンダ)は、共同持株会社設立による経営統合を検討する基本合意書を交わしたと発表した。 【この記事に関する別の画像を見る】 両社は今後、統合準備委員会を設置し、'25年6月までに最終契約を締結する方針。株主総会の承認や関係当局の許認可を得られた場合、'26年4月に臨時株主総会を開き、その後共同持株会社を東京証券取引所プライム市場に上場申請する計画。その後は共同持株会社の東京証券取引所プライム市場への上場を目指し、'26年8月ごろをめどに新体制となる見通し。また、上場が完了すれば日産とホンダは上場廃止となる。 さらに、三菱自動車は今回の基本合意を踏まえ、日産とホンダの経営統合への参画や関与の可能性を検討する覚書を締結した。三菱自動車は'25年1月末をめどに結論を出すとしており、3社協業の形態について協議が続けられる見通し。 一連の検討は、車両の電動化や知能化が進む自動車市場に対応する動きとされている。なお、本件は競争法を含む各種審査や承認が条件となり、日程や統合手法は協議の結果などにより変更される可能性がある。日産とホンダの両社は、株式移転に関連してForm F-4を米国証券取引委員会に提出する場合がある旨も公表しており、必要に応じて追加情報を公開するとしている。 経営統合で想定されるシナジー効果としては、研究開発の統合による基盤技術の共有や、車両プラットフォームの共通化によるスケールメリットがある。また、両社が保有する生産拠点の相互活用や調達面の効率化など、多方面でのコスト削減が見込まれるほか、販売金融機能の統合による事業規模の拡大が可能となるとされている。また、日産とホンダそれぞれのブランドについては、共に存続させるとしている。 3社コメント 日産自動車 内田 誠社長 「本日、私たちは経営統合に向けた検討を開始することとしました。これが実現すれば、私は両社の強みを掛け合わせることで、1社だけでは成し得ない、そしてこの2社でしか生み出すことのできない新たな価値と、これまでにないクルマの楽しみを、両社のブランドをご愛顧いただいている世界中のお客さまに提供することができると確信しています」 本田技研工業 三部 敏宏社長 「自動車業界が直面する厳しい環境変化を乗り越えていくには、Hondaと日産自動車が長年培ってきた知見・人財・技術などの経営資源の融合による、モビリティの新たな価値創造が必要だと考えています。今回は、まだ検討を開始する段階であり、経営統合を決定したわけではありませんが、それぞれが独自の強みを持つ、この2社の掛け合わせでしか生み出せない化学反応により、唯一無二の”モビリティの新価値を創造するリーディングカンパニー”となることを目指し、2025年1月末をめどに経営統合の可能性について方向性を見出すべく、両社で検討を進めていきます」 三菱自動車工業株式会社 加藤 隆雄社長 「変革期にある自動車業界において、今回の2社の経営統合に向けた検討開始は、シナジーを最大化させるものであると確信していますし、当社との協業にも高い価値をもたらすものと期待しています。3社の強みを活かしていくために、どのような形態がベストかを当社としても早急に検討していきます」
Impress Watch,佐々木 翼