「9時に銀座だからストライク放れ」豊田泰光氏が石を投げてきた!“ヤクルトの大エース”松岡弘氏が語る個性派チームメイトとライバルバッターたち
「9時に銀座だからストライク放れ」
松岡: サードが西鉄ライオンズにいた城戸(則文)さん。セカンドが武上(四郎)。豊田(泰光)さんがまだファーストを守ってました。豊田さんなんて、ボールが2つも続くもんなら、背中に石ころが当たるんだから。そういう時代ですよ。 徳光: 何で背中に石ころが。 松岡: 「ストライク放れ、コラ!」って投げられるんですよ。「9時に銀座だよ。銀座行くのに時間遅くなるから早くやれ」って。 徳光: 水割りがガソリンだったんですよね(笑)。 松岡: それも、ハイオクなんですよ(笑)。
神宮大好き 後楽園大嫌い
徳光: 同世代のピッチャーとの戦いは、やっぱり意識してたんじゃないですか。 松岡: もう絶対にありましたね。僕と堀内君とは、後楽園で投げるときと神宮で投げるときとで差が出てくるんですよ。 徳光: どういうことですか。 松岡: 神宮のときは、ほとんど僕が勝てるんですよ。後楽園でやると、堀内のほうが勝率がいい。 徳光: 何か違いがあるわけですか。 松岡: マウンドです。神宮って学生が使いますよね。神宮のマウンドっていうのは荒れちゃってデコボコなんですよ。毎日、2試合やるじゃないですか。大学やったり高校やったり…。 徳光: その後でプロ野球ですね。 松岡: きれいにならしてますけど、足が入っていくところがボコッと掘れちゃってるんですよ。もう直らない。 徳光: 表面を見てると、きれいにトンボがかかってるけど、そうじゃないわけだ。 松岡: 僕の方が彼よりステップが長いんで、僕が投げた後に彼が投げたら、掘れてるところに足がいってズルッと中に入っちゃう。堀内君に聞いたら、「神宮でお前とやるのは大嫌いだ」って絶対言いますから。 徳光: 逆にどうして松岡さんは後楽園がダメなんですか。 松岡: 後楽園はマウンドが硬かったんですよ。それに傾斜がすごいでしょ。もうあの頃の後楽園球場は投げづらくて投げづらくて。そういう得手不得手はありましたね。
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