【解説】アニメ業界の「製作委員会」って一体何?改めて知りたい「特徴」と複雑すぎる「役割」協会が資料公開
AJAとネトフリで「現状」言及に違いあり
AJAはこの紹介資料にて、従来の収益構造には変化が生じているとも述べています。特に現状認識として、ストリーミング配信プラットフォームの台頭は大きな影響を与えているといい、某グローバル配信事業者では「許諾対価はフラットフィーのみで、作品がヒットしても追加配分がない」ケースを指摘。 国産アニメの市場規模が拡大してきているなかでの「海外から安く買い叩かれる」現状により制作現場への還元が行き届いていないとしています。一方、今回の文化審議会の小委員会では「Netflix」運営も資料を提示しており、こちらでは「制作の待遇改善に寄与している」とプラットフォームとしての役割をアピールしており、両社の認識が異なっている状況でした。 また、この資料をめぐり、業界関係者からは一部の言及に不正確な記述があるとの意見も。最終ページに掲載された制作者の平均年収の参考資料として「アニメーターの約11%が年収1,000万円以上」「年収平均455.5万円」と記載されているものの、引用元のアンケート資料には「全体の37.7%がアニメ関係からの仕事が月収20万円以下、つまり年収240万円以下であると回答」「年齢別では20代の13%が月収10万円未満」との言及もあり、実態を十分に反映していないと実施母体の関係者もコメントしていました。 近年、アニメ作品が非常に増え触れる機会が増えるものの、業界内部は上の通り複雑であるがゆえ、なかなか把握しづらい状況です。アニメ制作や製作に興味のある方はもちろん、就職を目指す学生さんなどはぜひとも資料をチェックしてみると良いかもしれません。
市井