ダメな親ほど「子供に失敗をさせたくない」と言う…東大生に聞いてわかった"頭のいい子が育つ家庭"の共通点
■子供時代の失敗経験が少ないと受験に弱い それでも、そのリスクを取ってでも「東大を受験しよう」と考える人は、どういう人なのか。それは、「挑戦すること自体に価値があり、失敗したとしても無駄になるわけではなく、自分が成長するチャンスになる」ということを理解している人なのだと思います。 そういう人は、果敢に挑戦することができ、のびのび勉強できて、かつ「不合格になったらどうしよう」と考えて緊張してしまうことも少ないです。模試で点数が悪くても「この失敗から学ばなければ」と考えてしっかりダメだったポイントを分析できます。 このように、「失敗にも意味がある」と思える人の方が、努力して成長を続けることができるのです。 逆に、大学受験に弱い受験生の特徴は、「子供の頃の失敗経験が少ない人」です。小さい頃に失敗した経験が少ないと、ちょっとした失敗を許容できず、簡単に「もうダメだ」と考えてしまうことが多いです。 例えば模試の点数が思った以上に低かった時に、その失敗となかなか向き合えず、ショックを受けて勉強が手に付かなくなってしまったり、その結果を直視できずに「どこがダメだったのか」の分析をおろそかにしてしまいます。 多少の失敗は、「小さな失敗」です。ちょっとテストが目標点数に足りていなかったとか、模試の順位が低かったとか、そんなことは些細な問題でしかないのです。 ■「成功の数」より「挑戦の数」 本当に恐ろしいのは、「小さな失敗」を恐れすぎるあまり、挑戦せず、低い目標のままでずっと推移してしまうことです。挑戦をしないことの方がよっぽど、「大きな失敗」だと言えるのではないでしょうか。 「自然に育った農作物は病気に強いが、無菌室で育った農作物は病気に極度に弱い」と言います。挑戦から遠ざけられ続けた子供は、挑戦にどんどん弱くなっていってしまうわけです。 重要なのは、失敗してもいいから、子供の時から何度も「挑戦」をさせることです。それも、「成功しそうな挑戦」ではなく、「失敗するかもしれない挑戦」に果敢にチャレンジしてもらうことです。 どんなことでも1位を目指させたり、ちょっとした勝負事でも本気になるように言ったり、手を抜いているなと思ったらそれを指摘したりする。「成功」の数ではなく「挑戦」の数が多くなるような指導をしていくのです。 そうすると、子供はどんどん成長の機会を得ることができ、他の生徒よりも強く逞(たくま)しくなっていきます。そしてそういう生徒は、大人になってからも、大学受験以外の場でも、スポーツでも資格試験でも、就職でもビジネスでも、頑張ろうという気持ちが湧いてくることになると思います。ぜひ、参考にしてみてください。 ---------- 西岡 壱誠(にしおか・いっせい) 現役東大生 カルペ・ディエム代表 1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すものの、2年連続で不合格に。二浪中に開発した独自の勉強術を駆使して東大合格を果たす。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教え、教師に指導法のコンサルティングを行っている。日曜劇場「ドラゴン桜」の監修や漫画「ドラゴン桜2」の編集も担当。著書はシリーズ45万部となる『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大算数』(いずれも東洋経済新報社)ほか多数。 ----------
現役東大生 カルペ・ディエム代表 西岡 壱誠