【学生長距離Close-upインタビュー】悔しさ糧に成長した中央学大・近田陽路 「全員がいい記録を出せるチームに」
大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。38回目は、中央学大の近田陽路(3年)をピックアップする。 中央学大・近田陽路が2位!昨年の吉田礼志に続く準Vに「まさか自分がこの順位になれるなんて」/日本学生ハーフ 初出場となった今年1月の第100回箱根駅伝では、脱水症状から本来の走りができずに区間最下位。悔しさを糧に練習を重ね、3月の日本学生ハーフで2位と躍進した。 3年目となるシーズンが本格的に始まるなか、これまでの歩みや今後への決意を語った。
満を持しての箱根駅伝は無念の走りに
今年1月の第100回箱根駅伝。近田陽路は10区の主将・飯塚達也(現・山陽特殊製鋼)にタスキをつなぐはずだった。 大学2年目のシーズン、近田は結果を残し続けていた。関東インカレ(2部)ハーフマラソンは5位入賞(1時間3分50秒)。全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会は暑さの残る1組で10位、箱根予選会では吉田礼志(4年)、伊藤秀虎(現・愛知製鋼)に次ぐチーム3番手と好走した。12月には10000mで自己ベストも更新。満を持しての9区抜擢だった。 迎えた1月3日、曇天の復路。戸塚中継所でウォーミングアップをしていた近田は、若干の蒸し暑さを感じていた。初の箱根で、希望していた9区。緊張からか、水分をあまり取らずにスタートしてしまう。 前半からスピードに乗らず、7㎞過ぎの権太坂の上りでは長身の体が少しよろける。10㎞過ぎには脱水症状気味に陥っていた。 「スポドリ!スポドリ!」 14.4㎞地点の給水で川崎勇二監督が叫んだ。水分こそ補給したものの、本来の粘り強い走りとは程遠かった。 そして、先頭の青学大が鶴見中継所を通過して20分が経過。鶴見へタスキはつながらず、10区飯塚は最後の箱根路へと飛び出して行っていた。 飯塚がスタートして1分33秒後。近田は鶴見中継所にたどり着いたが、区間最下位。「駅伝はタスキをつなぐ競技なのに…」。何より卒業する主将につなげなかったことが悔しかった。 鶴見中継所での繰り上げスタートは、中央学大がまだ出場3回目だった1999年の第75回大会、わずか8秒、距離にして約50m届かなかった時以来。実に25年ぶりの出来事だった。