<ネット党首討論>(4)ユーザーから8党首への指名質問【全文書き起こし&動画】
衆議院選の公示を12月2日に控え、「ネット党首討論」(ネット事業者7社「わっしょい!ネット選挙」主催)が29日夜、都内で開かれた。8党党首が「安倍政権2年間の評価」「経済政策」「安全保障」などをテーマに議論した。 【全編動画】ネット党首討論「安倍政権2年」「経済政策」「安保政策」で論戦 自民党の安倍晋三総裁、民主党の海江田万里代表、維新の党の江田憲司共同代表、公明党の山口那津男代表、次世代の党の平沼赳夫党首、共産党の志位和夫委員長、生活の党の小沢一郎代表、社民党の吉田忠智党首が出席した。
■全文書き起こし
------------------------------------------------------ 角谷:ありがとうございます。安全保障政策について、各党の皆さんでご議論いただきました。 さてテーマ別はこの辺で終わります。続いてはこちらの、ユーザーの皆さんからの企画というふうになります。各党代表ユーザー指名質問というものがあります。事前にユーザーの皆さんから各党の代表に聞いてみたいことを募集しました。それに答えていただきたいというふうに思います。なお質問は、番組中にユーザーの皆さんにアンケートを行って、決定したものを採用するということになっております。よろしくお願いします。 この企画は討議ではありません。質問には党の代表としてお答えいただくというふうな個別のものになります。よろしくお願いします。 では順番にいきます。まずは安倍総裁への質問はこちらです。10年後、世界のパワーバランスはどのようになっていると予測しますか。アメリカの一極体制は崩壊しかけており、今のままの日米同盟では日本は守れないと思いますという、大阪の20代の男性からです。安倍さんお答えください。 安倍:おそらく10年後であれば、軍事力においても経済においてもソフトパワーにおいても、まだアメリカは圧倒的な力は持っているのだろうと。ただその段階で世界中がどうなってくるか。中国の台頭もあります。だからこそ日米同盟はきっちりと絆を強くして強化をしていく必要があります。それと同時に、今既に日豪の関係、日印の関係においても、同盟に近い関係を構築しております。海軍同士の、海軍と自衛隊の海上自衛隊の合同演習も行っています。そして防衛担当大臣、外務大臣、いわゆる2プラス2の会合も持っている。ロシアともスタートしました。また日・ASEANの防衛大臣会合、初めて今年行うことができました。こういう形でマルチのネットワークを張り巡らせながら日本の安全を確保していきたい。そして日本のソフトパワーもしっかりと強化していきたいと思います。そういう中で日本の国益を守ってまいります。 角谷:はい。ありがとうございます。では続いては海江田さんへの質問ということになります。これではありませんね。はい。民主党政権時代の民主党に点数を付けると、100点満点中何点でしょうか。民主党政権時の総括はきちんとされているんでしょうかという、東京都の50代の男性です。 海江田:100点満点で何点かということは、私は付けません。これはまさに国民の皆さまが決めていただくことだからです。ただ民主党の政権担当時代、3年3カ月、総括はやっております。やりました。今もやっている途中ですけれども、やっぱりいくつか、この民主党が1回政権に就きながらその政権の座を転がり落ちたということには理由があります。そのやっぱり一番大きな理由というのは、民主党が、政権与党にありながらばらばらだったじゃないかということです。ですから私はその意味では、民主党のばらばら感を克服するために一生懸命努力をしまして、そして今は本当に一丸となって今度の選挙に向かっています。消費税の問題もそうです。それから集団的自衛権の閣議決定の問題もそうです。それから原子力の発電所の、エネルギーの問題もそうです。民主党は30年代に原発ゼロを目指すということを、これ全体で決めています。そういう形で1つ1つ民主党が一丸となって、そしてやはり今自民党の政治に対して、しっかり対峙していかなければいけないと思っています。 角谷:はい、ありがとうございます。続いては維新の党の江田さんへの質問です。なぜ今野党再編が必要なのでしょうか。再編ではなく前回の選挙のように、維新が単独で第三極を取りにいかないのでしょうかという、東京都、20代男性の質問です。お答えください。 江田:今、1強多弱と言われます。巨大与党があって、われわれ野党がばらばらで弱小政党だと本当に緊張感のない、本当に慢心の政治を生むのです。その典型が4月増税をしておきながら、5月、国会議員の歳費2割カットを元に戻してしまう。国家公務員の7.8%カットも元に戻してしまうと、こういうことなんですね。私も自民党が全て悪いと言うつもりはありません。しかしこの自民党に対抗しうる、政権交代可能な一大勢力を作って、お互いが切磋琢磨し、競争しなければ国民本位の政治はできません。民間だって競争があるからいい製品、サービスが生まれるわけですね。ですからぜひとも野党再編、これは私の政治家としての原点でもございますから、あくまでも政治理念、基本政策の一致が大前提です。そういう軸で私はみんなの党、結いの党、維新の党をつくりましたから、ぜひともさらなる自民党に対抗しうる一大勢力づくりを目指して頑張っていきたいというふうに思っております。 角谷:はい、ありがとうございます。続いては公明党山口代表への質問です。消費増税への影響で、7月から9月期のGDP成長率はマイナスでした。この結果が出た以上、どうやって10%に上げるかを考えるのではなく、まずは8%に上げたことの是非を検証すべきではないかという、長野の40代の男性からです。山口さんお願いします。 山口:はい。これは公明党が野党のとき、自由民主党も野党でしたが、民主党の提案を受け入れて、3党で合意をいたしました。中長期的な視野で社会保障を維持強化する、そしてその安定財源として消費税を確保する。さらにその結果として財政健全化がなされていくと、こうした見通しを持って消費税の税率引き上げの時期を2段階で法律で決めたわけであります。しかし時の経済状況を見極めて政権が判断するという景気条項も入れました。それに従って昨年安倍総理が8%引き上げを決断されたわけでありますが、そのときの状況ではアベノミクスの成果が上がって、この経済状況を見た上でも8%引き上げは妥当であったと、こういう大方の見方だったと思います。しかしいろいろな8%のマイナスの影響を克服して、これからもそれをやり遂げていくと。 角谷:はい。分かりました、すいません、ありがとうございます。続いては平沼さんへの質問です。次世代の党は、政権公約で自主憲法の制定を掲げていますが、具体的に今の憲法をどう変えるのがベストだとお考えですかという、東京都20代の女性からです。お願いします。 平沼:今の憲法というのはどんなことを言っても戦勝国のアメリカが強権でもって日本に押しつけてきた憲法です。従って前文も不自然ですし、9条にも私は問題があると思いますし、第3章の国民の権利及び義務、これにも大きな問題があると思います。そういう意味でわれわれは自主憲法制定をしたいと、こういう勢力ですから、同じ考えの人たちと協力し合って、国民の皆さま方にどこが違うのかということを明確に知っておいていただいて、そして改正に全面的に取り組んでいきたいと、このように思っているわけであります。 角谷:はい、ありがとうございます。続いては志位さんですね。日本共産党が最終的に目指すのはどこなんでしょうか。資本主義社会の打倒ですか。社会主義、共産主義社会の実現ですかという、長野の20代の男性からの質問です。志位さんお願いします。 志位:私たちは共産党ですから、人類の社会は資本主義で終わりではない。社会主義、共産主義へ進むという展望を持っています。ただ2つの点を強調しておきたいと思います。1つは日本が直面している改革の課題というのは、資本主義のまず枠内で異常なアメリカ言いなり、あるいは財界中心の政治を改革して、国民が主人公の民主主義の日本をつくるということにあります。これをやり遂げた上で国民多数の合意で未来の社会に進んでいくというのが1つです。 それからもう1つは、崩壊した旧ソ連のような、国民を抑圧し、ほかの国を侵略するような体制というのは、これは社会主義でも何でもない。こういう暴圧の再現は絶対に許さないというのが私たちの立場です。資本主義の時代に作られた自由や民主主義のあらゆる制度は全部豊かに、継承的に発展し、人間の自由、人間の解放、これが本当に花開く、そういう社会を私たちは目指しております。 角谷:ありがとうございます。続いては小沢さんへの質問です。衆院選の直前に議員や前議員の離党を容認し、数人が他党から出馬することになりました。離党を容認したのには何か狙いがあるのでしょうかという、栃木の30代の男性からです。お願いします。 小沢:特別な狙いはございません。ただ私は、今回のこの選挙もそうですが、野党が一体として力を合わせて自公と選挙戦を戦えば必ず勝利できると、そういうふうに今なお思っております。従って私は、いろんな意味において野党が結集して、1つの自公にかわる受け皿を作るべきであるということをずっと主張し、またそれを望んでおりました。しかしながら現実にはそれができませんでした。そういう中での選挙ということになりますと、小さい政党は大変不利ですから、その意味において、今までずっとやってきた同志が、自分たちの政治生命を守るために良かれと思う道を選んでくれということを申し上げました。 角谷:ありがとうございます。では最後は吉田さんです。お願いします。12月10日に特定秘密保護法が施行されます。社民党は公約の中で特定秘密保護法の廃止を掲げていますが、今回の施行をどのように感じていますかという東京都、30代の男性からです。吉田さんお願いします。 吉田:まず衆議院が解散されて、衆議院議員がいないときにこれが施行されるというのは大問題です。そして特定秘密保護法は国民の知る権利や報道、取材の自由を奪う。そして秘密を漏らした公務員やあるいは民間人を処罰する、極めて問題のある法律であります。これまで2回、国会において特定秘密保護の廃止法案を提出いたしました。これまで成立した法律も、廃止した事例はいくつもありますから、粘り強くこの廃止に向けて取り組んでいかなければいけないと思っております。10月に施行されますけれども、施行以前に、あるいは運用基準をどれだけ変えても、やはりこの法律そのものは大きな問題がありますから、粘り強く廃止に向けて取り組んでいきたいと考えております。