史上最大規模の銀行強盗がやって来る──パーミッションドか、パーミッションレスか
パーミッションレス・ブロックチェーンの強み
規制当局はブロックチェーン・テクノロジーの重要な特徴である分散化を誤解しがちだ。真に分散化されたブロックチェーンは、それを構築し維持するために何千ものバリデーターを必要とする。これはまた、1人のバリデーターが攻撃されても、他のバリデーターがブロックチェーンの運用とサポートを継続できることを意味する。これこそが究極の運用レジリエンスの定義だ。 真に分散化されたブロックチェーンは、ハッキングが非常に困難。実際、ビットコインのブロックチェーンは2009年の誕生以来、ハッキングされたことは一度もない。 ブロックチェーンシステムに他の種類のリスクがないとは言わない。しかし、サイバーセキュリティ上のハッキングがあまりに頻発し、もはやニュースにもならない今、この事実は本当に注目に値する。 一方、暗号資産のハッキングのほとんどは、ハッカーが1人または数人分の管理者キーを手に入れるだけで、資産をコントロールし、盗むことができてしまう中央集権的プロトコルで発生している。 同様に、パーミッションド・ネットワークは少数の関係者によってのみコントロールされるため、何千ものバリデーターによって維持されるブロックチェーンよりも簡単にハッキングされる可能性がある。 このようなパーミッションド・ネットワークを管理する大手銀行(または非ブロックチェーン台帳を管理する中央銀行)に攻撃ベクトルが集中することは、まさに背中に的を貼り付けているようなものだ。 金融システムが数兆ドル相当のRWAと負債をトークン化する動きを見せる中で、パーミッションレス・ブロックチェーンよりもパーミッションド・ネットワークの利用を奨励することによって、これまでに前例のないような規模のサイバーセキュリティ攻撃を引き起こすことは避けられない。史上最大規模の銀行強盗が起きようとしている。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Jason Pofahl/Unsplash|原文:The Biggest Bank Heist in History Is Coming
CoinDesk Japan 編集部