「フォーミュラジムカーナ」の初代女王に輝いたのは吉川萌衣選手! 日本一の自動車部所属女子大生はじつは女子クラス新設の立役者だった
フォーミュラジムカーナから全日本ジムカーナへ!
編:そんな吉川選手のいまの愛車はなんですか? 吉川選手:EK9のシビックタイプRをほかの部員と共同所有しています! これ以外にもロードスターで全日本ジムカーナに出場しています。 編:え、すごい! 全日本ドライバーなんですか? 吉川選手:今年度は全日本ジムカーナドライバーの河本晃一選手と、若い人にもジムカーナを広げようという「チャレンジPE2プログラム」で、オートマ車で参戦するCP2クラスに参戦していました。クルマはそのために貸していただいたものです。今年一年を通して全日本ジムカーナへ参戦し続けて、毎月のように全国各地で走れたことが自分のスキルを大きく向上させたと思います。 その河本選手と出会ったのも、昨年度のフォーミュラジムカーナです。さらに昨年度は、「日本の男女の最高峰の戦いです」みたいなことを謳っていたにも関わらず、女子選手がひとりもいなくて。「女子、どこにもいないじゃないですか?」みたいな話をGRの方に直訴したら真摯に聞いてもらえて、こうして女子クラスを作ってもらえました(笑) しかも競技形式もターゲットタイム制で、いつもガンガン競技をしている人でなくても上級者と戦えるので参加障壁が低いし、競技経験者としても新たな経験で非常に楽しめました! 編:フォーミュラジムカーナには今年も去年も参加されて、社会人と話す機会が多かったと思うんですが、実際に話してみて得られたことはありましたか? 吉川選手:「自分の想いや希望は発信していかないと、なにも始まらないな」と気づいたのと、それを聞いてくれる大人の存在に気づくことができ、「クルマ業界の未来って明るいんだ!」って思いました。こんな風に若者の意見を聞いたり支援したりしてくれる業界は少ないんじゃないかと思うので、将来は私もクルマ業界で働きたいって思うようになりました。そして最終的に、フォーミュラジムカーナの協賛企業ではないのですが、クルマの電装品関係のメーカーに就職が決まりました。 編:それはGRの石井さんや事務局長の岩田さんが聞いたら泣いて喜ぶ話ですね(笑) 吉川選手:各協賛企業のブース担当者の方もすごく楽しそうじゃないですか。若い子たちに頑張ってほしいし、入ってきてほしいって思いが伝わってきます。私は4年生なので選手としてはもうこれが最後ですが、いつかはブースで若者と交流したり、あわよくばデモランナーとしてこの舞台に帰ってきたいと思っています! 編:就職してもずっとクルマには乗り続けるんですね! 吉川選手:モータースポーツは生涯現役でやりたいと思っています! 日本一の女子自動車部員に輝いた吉川選手は、モータースポーツへの情熱と行動力にあふれる、まさに「パワフルガール」であった。そしていつかは学生たちに恩返しをすべく、フォーミュラジムカーナに戻ってきたいという。自動車業界でさらに活躍することを目指す若者を見て、自動車業界の未来はまだまだ明るいと感じた次第であった。
CARトップ編集部 立花義鷹