65歳以上「無職の夫婦世帯」1ヵ月の生活費どれくらいか家計後で見る。収入源の年金や貯蓄額の平均額つき
物価上昇が続く中、老後生活への不安が高まる方も多いでしょう。 給与収入を得る現役世代の場合、12月はボーナス支給があります。また残業や副業、あるいは思い切った転職などで、収入を増やす方法はありますよね。 ◆【写真4枚】65歳以上無職夫婦の1ヵ月の生活費はいくら?図表でチェック しかし、年金生活になるとそうもいきません。固定の年金収入の中でやりくりすることになるので、「本当に定年退職してしまってもいいのか」「アルバイトでも続けておいた方が安心なのではないか」など考えている方も多いと思います。 実際、年金受給者の中には、年金だけでは生活が厳しいという声も少なくありません。 老後の生活を安心して過ごせるためにどうしたらいいのかといった相談を、FPである筆者も多くの方から受けています。 「老後に向けて今から何をしたらいいのか」「今のままで老後を迎えて大丈夫なのか」などといった不安の声が多くあります。 では、老後に向けてどういった考えや準備が必要なのでしょうか。 本記事では、65歳以上・無職夫婦世帯の1ヵ月の生活費の平均をみていき、安心した老後に向けてどのような準備が必要なのかを考えていこうと思います。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上「無職の夫婦世帯」の貯蓄額はいくら?
ひと昔前は60歳で定年退職を迎える方が多かったものですが、最近では65歳までの就労を希望する方が増加しています。 2025年4月には、65歳までの雇用機会の確保が企業へ義務化されるため、希望する人は65歳まで働けるようになるでしょう。 では、「65歳でリタイア=65歳で年金生活がスタート」となった場合、どれほどの貯蓄が必要になるのでしょうか。 総務省の家計調査報告によると、65歳以上の「無職の夫婦世帯」の平均貯蓄額は2504万円となっています。 平均額が上昇傾向にあることから、老後への備えに対する需要が高まっていることがわかります。 ●2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移 ・2018年:2233万円 ・2019年:2218万円 ・2020年:2292万円 ・2021年:2342万円 ・2022年:2359万円 ・2023年:2504万円 老後に対する不安、年金制度への不信感などが影響していることも考えられますが、今後はインフレも加味した計画が必要になるでしょう。 同じ2000万円であっても、数十年後の価値が下がっている可能性があるからです。 現金だけではインフレに対応するのが難しいため、保有資産の分散も検討が必要です。現シニアの保有資産の内訳についてもみていきます。 ●現シニアの保有資産の内訳 ・有価証券:480万円 ・生命保険など:413万円 ・定期性預貯金:846万円 ・通貨性預貯金:754万円 ・金融機関外:11万円 合計:2504万円 預貯金だけでなく、有価証券や生命保険などにも振り分けている様子がわかります。 今のシニア世代の中には、バブル期を会社員として迎えていた人も含まれます。当時は銀行に預けるだけでお金が増えていましたが、それでも預貯金以外の制度を利用していた人がいるということです。 2018年からの推移で見ても、全体に占める有価証券の割合は増加傾向にあり、定期性預貯金の割合は年々減少しています。 今後も「貯蓄から投資へ」の流れの中で、資産運用を始める世帯が増えていくことが考えられるでしょう。 続いて、勤労世帯も含めた貯蓄額も見ていきます。