「会社にとってのお荷物」だと悟った復職の面談。辞めるかどうするかなかなか決断できなかった一番の理由は「怖さ」【作者に聞いた】
SNSでメンタルや生きづらさを題材としたイラストと言葉を発信しているなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)は、かつてうつと適応障害から会社を休職。当初はそんな自身について「恥ずかしい、情けない」と感じていたが、今では「休職して良かった」と思っているそう。 【漫画】本編を読む コミックエッセイ「うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~」は、そんななおにゃんさんの実体験をベースにした作品。病気から、会社から、果ては日本からも全力で逃げた1年間を赤裸々に描く。 第18回の今回は、復職の面談について。休職期間が終わったらどうするのか、いよいよ決断の時が迫る。 面談は、1時間くらいだったと思います。でも、あまりに気まずくて、はやく終わってほしいと思う時間だったので、体感では6時間くらいあったように感じました…(笑)。 会社を辞めるのか復職するのかなかなか決断できなかった一番の理由は、「怖さ」でした。やはり、会社を辞めることで安定した収入がなくなるという怖さがありました。また、この時もまだ新卒で入れた会社に対する執着みたいな気持ちもあって、辞めることがとても恐ろしいことのように思っていました。せっかく入れた会社なのに、簡単に手放していいのかという気持ちも強くて。そんな気持ちもあって、すぐに決断することができませんでした。 面接後、なんとなくではあるが「自分は会社にとってお荷物なんだな」と悟りました。悩んだ末に会社を辞め、絵本作家になろうと決意を固めます。出版社への持ち込みはハードルが高いことがわかったため、以前仕事をした絵本作家にラフを見てもらい、一緒に絵本を作らないか相談してみることに。 しかしそこで、「せっかくだから自分で絵も描いてみたら?」と言われました。当初は絵を自分で描くことを想定していなかったため、予想外のアドバイスでした。 それまで、ちゃんとした絵を描いたことがありませんでした。大人になってから描く絵は、ちゃんと美大などで絵を勉強した人が描くものだと思っていたので、自分には到底無理だと思っていました。あと、編集の仕事をしていた時、めちゃくちゃうまい画家さんの絵をたくさん見ていたので、余計に自分にはできないという思いが強かったです。でも、やってみると意外とできることもあるので、試しにやってみるのって大事だなと学びました。 会社を辞め、絵本作家として話だけでなく絵にもチャレンジすることを決めたなおにゃんさん。今後の「うつ逃げ」も楽しみにしてほしい。 取材・文=石川知京