46カ月連続の資金流入が継続するも流入額上位ファンドの顔ぶれに変化=DC専用ファンド(2024年9月)
今年8月に日経平均株価が1週間で20%程度も下落するという波乱があった。その時には米国株式をはじめ、世界の株式市場にも動揺が広がった。また、コロナ・ショックを克服するためにゼロ金利・マイナス金利にまで落ち込んでいた金利は、先進国を中心とした政策金利の引き上げによって、米国や英国は長期金利が年4%前後、ドイツでも2%台になっている。債券を使った安定運用が実現可能な状況だ。長期の資産形成を考えた時に、不安定な動きをする株式ファンドが第一の選択肢という状況ではなくなっているといえよう。
2020年以前は、資金流入額の上位をバランス型が占めることが多かった。今後は、どのような傾向が強まるのか注目していきたい。
■トータルリターン1位は前月同様「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月と同様に「大塚グループ株式ファンド(確定拠出年金)」になった。第2位も前月と同じ「DC次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」だった。第3位に「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が浮上した。
■iDeCoの新規加入状況が低迷
国民年金基金連合会が10月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると2024年8月の新規加入者数は3万119人で前年同月比23.3%減、加入者総数は342万3476人になった。新規加入者数は4月以来5カ月連続で前年同月比マイナスになったが、前年同月比で20%以上の落ち込みになったのは2023年12月以来。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は8137事業所、対象従業員数は5万1684人になった。
8月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は4258人(前月5091人)と前年同月比5.6%減、第2号加入者は2万4374人(前月2万7803人)と同22.9%減、第3号加入者は1130人(前月1508人)と同28.8%減になった。第2号加入者の中で、企業年金なしの新規加入者が1万4289人(前月1万6657人)。「企業年金あり」が5469人(前月6284人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は4616人(前月4862人)となった。
ウエルスアドバイザー