火災保険の「破損・汚損」補償は必要? 補償内容や、保険金が下りるケース・下りないケースを紹介
火災保険の「破損・汚損」補償は必要か?
現在販売されている火災保険は、基本補償についてさまざまな組み合わせのプランが選べるようになっています。また、プランを選んだうえで、破損・汚損補償は特約として付けるかどうかを選択する会社もあります。つまり、破損・汚損補償の付帯については、自由に選べることがほとんどなのです。 破損・汚損補償を付けると、もちろんその分の保険料が上乗せされます。保険料を安く抑えたいという人は、破損・汚損補償を省きたいと考えるかもしれません。 破損・汚損補償は、支払い件数が多いが… 火災保険に含まれるさまざまな補償の中でも、保険金の支払い件数が多いのが破損・汚損です。三井住友海上※2によると、事故種類別・支払い件数の割合は、破損・汚損が全体の30.7%にも上ります。 日常において、破損・汚損の対象となる事故が頻繁に発生していると言えます。(※2参照:三井住友海上「GK すまいの保険(すまいの火災保険)補償内容」(お支払い件数の割合 「GK すまいの保険」の2018年度~2020年度当社支払実績) ただし、保険は本来、「発生確率は低くても発生すると損害が高額となる可能性があるリスク」に向いています。破損・汚損はそれほど高額な損害が考えにくいため、火災保険の基本補償の中では、比較的必要性が高くない補償だと考えられます。
今の火災保険に、破損・汚損が含まれているかチェックするには
自分が加入している個人向けの火災保険に破損・汚損補償が含まれているかを確認するには、まず保険証券を見て保険種類を確認しましょう。 「住宅火災保険」または「住宅総合保険」であれば、破損・汚損補償はありません。それ以外の名称(例:個人用火災総合保険、家庭総合保険など)であれば、ご自身で選んだプランによるため、「基本補償」または「主契約」と書いている部分を見て破損・汚損補償が入っているかを確認しましょう。 保険証券で破損・汚損補償が含まれているかを確認する時に注意が必要なのは、保険会社により同補償の名称が異なることです。代表的な例として次のようなものがあります。 ・破損・汚損等 ・不測かつ突発的な事故 ・破損・汚損損害等補償特約(特約の場合) また、同補償は主契約ではなく特約としている保険会社も一部ありますので、併せて特約の記載部分も確認することが必要です。 【コラム2】昔契約した火災保険には、破損・汚損補償が含まれていない? 「住宅火災保険」と「住宅総合保険」以外の保険が販売され始めた1998年~2000年以前に火災保険に加入した人は、破損・汚損補償が含まれていない可能性が非常に高いです。ただし、「住宅火災保険」と「住宅総合保険」はその後も販売は続けられていたため、それ以降に加入した人も保険証券で保険種類がこれら2つでないかをまず確認しましょう。