【カスタムバイク紹介】ACサンクチュアリー KZ1000(カワサキ KZ1000)オーナーの目指す方向をきっちり反映させるパッケージ
オーダーコンプリートならではの新たな利点も盛られる
ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacture)として仕立てられ、RCM-605というシリアルナンバーを得たKZ1000。Zらしい凜とした姿の中にはどんな内容が盛り込まれているのか、同店・中村さんに聞いた。 【写真はこちら】ACサンクチュアリーがカスタムした「KZ1000」の全体・各部 「ベースはオーナーさんの所有カスタム車でした。イメージされていた走りの性能とは路線が違っていたそうで、RCM化するに当たって、そこ(イメージする走りの性能)を実現するようにしました。今のスーパースポーツを超えるというご希望には難しさもあるので説明して納得いただいていますが、それでもZというベースを考えれば十分な作り込みをしています。 具体的にはエンジンはDiNx(ディンクス。サンクチュアリーの内燃機加工部門)での精密内燃機加工をベースにサンクチュアリーでフルオーバーホール+加工し、1166cc&ツインプラグヘッド化など、製作時点で考えられるフルメニューを施しています(註:製作時点でというのは、こうした加工技術やメニューが今も日々進歩しているためで、オーダー時点での最新という意味と捉えるといい)。低中速回転域でも十分に油圧を確保してエンジンオイルを回せるトロコイドオイルポンプも備えています。今なら深底オイルパン、新作コンロッドも加えられる内容です。 トルクフルでかつ静かなエンジン。これを当店では確立している前後17インチ/ワイドリヤタイヤ用フレーム加工&補強メニューを施したフレームに積んで、最新の足まわりを組み合わせています」 電装もフル見直しし、改めてオーナーの望むブラックで仕上げ。楽しめる1台となった。ただ、と中村さんは続けてくれる。 「最近の中古車両には、外観はきれいだけど分解するとフレームはやっつけ溶接や粗い加工、エンジンはシリンダースリーブがゆるゆるとかネジ山がダメというように状態の悪いものが増えたようです。30年前のブームの頃に多かった車両みたい。確認した以上は手を入れますが、本来やりたいカスタムの作業の前にレストア&オーバーホールが必須で、その分時間もコストもかかります。車両選びにまた気を遣わないといけないなと」 この車両も分解時に見つかったそうしたネガを修正。その分性能は大きく上がり、長く乗るための安心も得た。コンプリートの利点はこんな形でも出てくるようになったのだ。
ヘリテイジ&レジェンズ編集部