“全国初”私学が「受け皿」づくり 中学校の部活動の地域移行 長野日大が「会社」設立して「クラブ」運営 スポーツ庁「新しい可能性」 専門家「持続可能なモデルに」
指導者・内山久人さん: 「ボールの下に手を入れちゃだめよ」 月謝やスポンサー料は外部指導者への報酬にも充てられています。内山久人さんは建築関係の会社を営みながら、8年前から日大中サッカー部の外部指導者となり、引き続き日大ラボに登録して指導しています。 指導者・内山久人さん: 「子どもたちと接するというところをメインにしているので、あくまで報酬はおまけ、交通費、気持ち程度という形で受け取っている」
■スポーツ庁「新しい可能性」
日大ラボは長野市内外から広くメンバーを受け入れる方針で現在動き出しているのは5つのスポーツ(サッカー、ソフトテニス、剣道、野球、卓球)ですが、いずれは文化系も含めていくということです。 私立の学校法人がこうした「受け皿会社」を設立するのは「全国初」。スポーツ庁の担当者は「例を見ない取り組みで新しい可能性を示している」と評価しています。 内田教授はー 名古屋大学・内田良教授: 「この話を聞いた時には本当に驚きました。全く新しい時代がやってきた。子どもは地域の宝だという意味で、民間企業が子どもの放課後の活動に協力していることが、地元に貢献するという意味でも非常に価値がある。うまく連動していくと実は部活動の改革の未来は開けてくる」
指導者の確保も地域移行が抱える課題のひとつですが、日大ラボは新規採用も含め必要な指導者を確保していく考えです。 長野日本大学中学校・添谷芳久校長: 「教育集団として指導のマニュアルも持っていますので、研修を受けてもらって研修をクリアした皆さんに、ライセンスを発行する枠組みを考えている」
■専門家「持続可能なモデルに」
「日大ラボ」について内田教授は、もともと部活動の持つ教育的な価値の上に民間企業の発想を取り入れた持続可能なモデルになるのではと注目しています。 名古屋大学・内田良教授: 「新会社の設立によって地域社会に放課後のスポーツ文化活動の機会がしっかり根付いて、旧来の学校でもなく、行政でもなく、純粋な民間企業でもなく、まさに学校と企業の間を取り持つ、学校のことをよく理解している新会社が部活動の未来を背負ってくれるところに私は期待を寄せています」 学校ごとの部活動から地域のクラブ活動へ。 子どもたちの放課後を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。
長野放送