世界シェア2位の建設・鉱山機械メーカー・コマツに建設施工プロセス全体をICTでつなぐスマートコンストラクション®開始の背景に迫る
◆「Komtrax」開発の経緯
さまざまな業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれて久しい昨今、四家さんいわく、コマツはIoT(モノのインターネット)やDX、ICT(情報通信技術)などに先駆けで取り組んでおり、そうした努力も実を結んでいます。 その証として、経産省や東京証券取引所などが、社内におけるDX推進のための仕組みの構築、さらには、デジタル活用の実績が優れている上場企業を選定する「DX銘柄」に3年連続で選定され、昨年には「DXプラチナ企業2023-2025」に選定された3社のなかにも名を連ねています。 そんななか、四家さんは「DXもIoTも“手段”であって“目的”ではない」と強調。その理由として、“IoTの先駆け”とも言われているコマツの機械稼働管理システム「Komtrax(コムトラックス)」が開発された背景に触れます。 現在、世界で稼働しているコマツの建設機械・70万台以上に搭載されている、このシステムが生まれるきっかけとなったのは1990年代後半のこと。 「ある開発者が『建機側が「調子が悪い」とか自ら(発信して)伝えてくれれば、メカニックが状態確認だけのために現場に駆け付ける必要がなくなるのではないか』と発想し、その当時は、ちょうど衛星通信・携帯通信が利用できるようになった頃だったので“建機にもそういう(双方向にコミュニケーションを取れる)装置を付けよう”というのが(『Komtrax』の)始まりなんです」と語ります。そして、この機能は建機の盗難防止にも役立ち、当時日本で盗難した建設機械でATMを破壊して現金を強奪する事件が多発する中、社会問題の解決にも貢献できたとのこと。 そんな経緯から、改めて四家さんは「我々にはやりたいことがあって、それを実現するためにテクノロジーや手段を見つけてきて導入していく。そういう意味では、最新のテクノロジーを使うことに対して非常に積極的な会社ではありますが、それ自体が目的ではないと思っています」と話していました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」5月4日(土・祝)放送より)