「あんなヤツと不倫なんて無理だよ」と笑った夫。妻のモヤモヤが晴れるまでの一部始終【体験談】
病院のろうかで、修羅場に
写真を見た日から10ヶ月ほど経った頃、貴文さんが病気で倒れて入院しました。麻痺の後遺症が残るかもしれず、仕事に復帰できるかどうかも分かりませんでした。 「もう働けないかもしれないという状況だったので、私が大黒柱になって頑張って家庭を支えていこうと腹をくくりました。 ところが、ある日。私が面会に行くと、あの女性と病室で鉢合わせたのです。 『やっぱりそうだったんだ! 話の辻褄が合っていなかったよね』と内心思いました。 貴文さんは、その場の気まずい空気を取り繕うように、『ただ心配してきてくれたんだよね。仕事の話もあるし』と弁解しましたが、女は下唇を噛んだまま黙っていました。その表情だけで何が起こったのか全てを悟りました。」 葵さんは、女性を病室の外に呼んで、「録画するね」と言いながら問い詰めました。 「やっぱりそういうことなんだよね」と言うと、彼女は涙を流しながら「はい」と告白し、謝罪しました。 「証拠は握りましたが、別れてくれとは言いませんでした。 『この先、後遺症が残るかもしれないけど、彼のことはお願いね』と言うと、彼女は、『そんな、無理です~』と言いました。 愛していなかったのか、病気で倒れたら冷めたのか。ただ、その時は本気で謝っていたと思います。」 葵さんは、その日は病室に戻らずそのまま帰って、貴文さんのLINEをブロックしました。すぐに弁護士も探して離婚に向けて動き出したそうです。 「もともと疑っていたし、どれだけ時間が経っても100%信用することはなくなっていました。ただ淡々とやることをやるという感じでした。もう気持ちが揺らぐことはありませんでした。」
心の繋がりもあるじゃん!
その後、貴文さんは外泊許可をもらって10日間くらい家に帰ってきました。 葵さんは証拠を押さえるために、録画しながら、いろいろ尋ねました。 「(相手の女性の) 家に行ったけど、性交渉しない日もあったの?」と尋ねると、「うん」と言う貴文さん。 「心の繋がりもあるじゃん!」、とキレずにはいられなかった葵さん。 もはや体の関係があろうとなかろうと、何を聞いても怒りしか湧いてきませんでしたが、性行為をした回数を聞いた時よりも、心の繋がりは怒りを増幅させました。 「最初、二人の写真を見た時は、『やっていない』と言われたので、そうなのかなと思ってしまいました。でも、今度はそういうわけにはいきません。彼は泣きながら謝って弁解していました。 私は頑張って信じようとしたのに、彼らは水面下で繋がっていた。腹立たしさと悔しさで、心が音を立てて壊れていきました。」 葵さんは、その日のうちに二人が仲睦まじく写っている写真を義弟に送信し、義両親にも電話して、「こういうことがあったので無理です。離婚させてください」と言いました。 つづきの【後編】記事『夫の問題点は、不倫や借金だけではなかった。「これからは一生一人で生きていきたい」と妻が決別を選んだ理由』では、葵さんが離婚を決意した理由や離婚後の生き方についてお話しします。
ライター/渡辺 陽