環境づくりなど目標5項目 奄美市子ども子育て会議 次期計画素案の要点を共有
鹿児島県奄美市の第3期子ども・子育て支援事業計画策定に向けた市子ども・子育て会議(平田宏尚委員長、委員15人)の2024年度第3回会合が29日、奄美市役所であった。「子どもと子育てにやさしい地域環境づくり」など、25年度からの第3期計画の素案の要点を共有。現状を踏まえつつ、委員がそれぞれの立場から市の子ども・子育てに必要な視点や支援策について意見を出し合った。 委員は子どもの保護者や保育施設などの代表らで構成。第3期計画期間は29年度までの5年間。残り3回の会議を経て24年度末の策定を目指している。 事務局が示した計画素案の要点によると、「子どもがいきいきと健やかに育つ心豊かなまちづくり」が基本理念。①子育て支援の充実②親子の健康の確保と増進③仕事と生活の調和の推進④支援を必要とする子どもや家庭への支援の充実⑤子どもと子育てにやさしい地域環境づくり―の5項目を基本目標に定め、総合的な施策の展開を図る。 委員からは、ひと昔前に比べて父親の育児参画が増えている傾向を歓迎する意見があった一方、育児休業への理解促進など、父親の育児参画を、より一層進めるための取り組みを求める声があった。 ある委員は「奄美では祖父母など親以外に、子どもをみる人や相談できる人が地域(近場)にいることが、子育て環境上の強み」などと地域の特性を評価。転勤者や移住者が子育てで孤立しない環境づくりなどを今後の課題に挙げた。 別の委員は「一時預かりなどをしている施設は多いが、必要としている人に必要な情報が届かなければ意味がない」と、子育て支援情報の発信の強化・工夫を求めた。 このほか、若い保育士の確保策として、保育士を目指す若者に対し親がストッパーにならない社会全体の雰囲気づくりや、子育て支援環境に関しては、名瀬、住用、笠利の3地区での地域間格差是正を求める意見などもあった。