<独占>ロッテ安田尚憲に覚醒予感「清宮、村上には負けない」
プロ2年目、千葉ロッテ・安田尚憲の沖縄キャンプの朝は一杯のコーヒーから始まる。もちろんブラック。 「カフェインをガッと入れて体を叩き起こすんです」 19歳にしては渋い。 練習後には大浴場で体を温めて夜は10時には寝る。修行僧のような1日だが、暇があればスマホで動画を見ている。筒香嘉智、柳田悠岐、秋山翔吾、そしてメジャーリーガーの映像に練習風景まで。 「全員違います。でもいい左バッターって共通点があるんですよね」 共通点を見つけ出す作業に終わりはない。 安田がグラウンドのどこにいるかは一目瞭然だった。その威風堂々の体格は、ザ・プロフェッショナル。視察にきた侍ジャパンの稲葉篤紀監督には「顔がほっそりしたんじゃないか」と心配された。昨秋のU-23の大会以来の再会となった稲葉監督には、そう見えたが、現体重は100キロある。筋量だけで昨年よりも5キロ増えた。 「本当は体脂肪をもう少し落としたいんですよね」 現在の体脂肪は15、16%。あと2、3%落としたいという。 打球は面白いほど飛ぶ。 フリー、ロングティーでは柵越えを連発。9日の台湾プロチームとの対外試合初戦では2本塁打、20日の横浜DeNA戦では130メートルの特大アーチをバックスクリーンに放り込んでいる。 「飛距離は伸びています。こすっても、外されても飛ぶようになっている。でもまだまだ全然ダメです」 新打法に取り組んでいる。 バットを寝かせ、タイミングを取る右足のアクションも小さい。 「頭の位置を動かさず上下の無駄な動きを消すのが狙いです。打席で上半身に力を入れて打ちたくない。バットを立てると、左肩が上がって力む。このままいくかどうかわかりませんがキャンプでしかできないことがあります。試しています」 それが稲葉監督には「小さくまとまっている」ように見えた。 「もっと飛ばせ!」 そう檄を飛ばされた。 稲葉監督が具体的に送ったアドバイスは、「右足の踏み込みと右手の押し込み」で「右半身をもっとうまく使うイメージを持った方がいい」というもの。安田は「軸足にどう体重をタメて左手をどう使うか」という投手から見て後ろ側となる左半身を意識していたが、稲葉監督には見過ごしていた右半身の使い方を指摘された。 「いろいろと確かめながらやっていきたい」