住宅ローン金利の上昇で分譲住宅の価格が下がるのかを検証! 今後マイホーム購入は厳しくなるのか?
金利上昇と住宅価格の関係をシミュレーション
実際のところ、金利と住宅価格との関係で購買力がどうなりそうなのか、金利上昇、価格下落の両面から返済負担の変化をシミュレーションしてみよう。 金利1.0ポイントのアップで、2割近い返済負担増に まずは、金利上昇が返済負担に与える影響を試算した結果が図表3だ。 図表3 金利上昇が返済負担に与える影響の試算 設定条件:借入額5000万円、35年元利均等、ボーナス返済なし 上表にあるように、変動金利型の住宅ローンを金利0.2%で利用できる場合、借入額5000万円当たりの毎月返済額は12万3272円。これが、0.2ポイント上がって0.4%に上昇すると12万7595円に増えて、3.5%の増額になる。 1.0ポイントのアップで1.2%になると18.3%の増額で、14万5851円に増える。月額2万円以上も負担が重くなってしまうので、年収などの条件によっては、とても返済が難しいという人も出てくるのではないだろうか。 住宅ローン金利の上昇がマイホームの購入意欲を減退させ、住宅価格の低下をもたらすのではないかという見方もあり得ない話ではないだろう。 借入額が2割減少すれば、返済負担も2割減少 そこで、図表4では金利上昇によって住宅価格が下がると、どれくらい負担が軽くなるのかを見てみよう。 図表4 借入額と返済負担の増減率 設定条件:金利0.2%、35年元利均等・ボーナス返済なし 上表にあるように、5000万円の借入額が必要だったのが、住宅価格の低下によって4800万円の借入れで済むようになると、毎月返済額は12万3272円から11万8341円に、4.0%の減額になる。 さらに、5000万から1000万円下がって4000万円の借入で済むようになると、9万8618円と10万円を切って、5000万円の借入れに比べて20.0%の負担軽減になる。 金利が0.2%のままで住宅価格が1000万円下がれば、購入意欲が高まるのは間違いないだろう。 しかし、価格の下落はあくまでも住宅ローン金利の上昇が前提になっているので、下落した価格だけを見て喜んでいるわけにはいかない。