【会見全文書き起こし・前編】翁長沖縄県知事 日米安保を品格のあるものに
そういう中ですから、日本国憲法の適用もありませんし、児童福祉法の適用もございません。27年間、国会議員を出したことも一度もございません。沖縄はその間日本国民でもなく、アメリカ国民でもありませんでした。インドネシア沖で沖縄の漁船が拿捕されたときには沖縄だよ、琉球だよということで三角の旗を掲げてやったんですが、その拿捕をされたときにその旗はなんの役にも立ちませんでした。ベトナム戦争には沖縄から毎日B-52を中心として爆撃で行きました。その間、日本は自分の力で日本の平和を維持したかのごとく、高度経済成長を謳歌したわけでございます。 この、今回の普天間の基地の在り方のことになりますけれども、日本政府は普天間基地の危険性除去が原点であると言っております。そしてその唯一の解決策は新辺野古基地建設が唯一の解決策であると言っております。しかし沖縄から言わせますと、普天間基地の原点は戦後、住民が収容所に入れられてるときに米軍に強制接収をされまして、あの普天間基地はできてるんです。何も貸したわけじゃないんです。強制的に取られました。そしてこれもあらためて確認をしますけれども、沖縄は今日まで自ら基地を提供したことは一度もございません。普天間基地もそれ以外の飛行場も基地も、戦後沖縄県民が収容所に入れられてるときに取られたか、あるいは住民が住んでるときには「銃剣とブルドーザー」でどかして、家も壊して、そして今の基地は全てできてるんです。ですから、私たちはこの「銃剣とブルドーザー」で基地に変わったものを見ながら27年間、今日もそうですけれども過ごしてまいりました。 ですから、新辺野古基地に造れといったときに、私の言い分は自ら土地を奪っておいて、県民に大変な苦しみを今日まで与えておいて、普天間基地が老朽化したから、世界一危険になったから、おまえたちが負担しろ、辺野古が唯一の解決策だ、それが嫌なら代替案、代わりの案をおまえたちがあるのか、日本の安全保障はどう考えてるんだ、沖縄県のことを考えてるのか、というこういった話がされてるわけですね。ですから、私はそれは日本の安全保障を考える、日米同盟を考える、日米安保体制を考えるときに、日本の国の政治の堕落ではないかと、こういうことを申し上げてるわけでございます。