「地元の野球、スポーツ界の活性化に」元甲子園球児・小暮涼 スクールからつなげる次世代への野球と日の丸の挑戦
念願のスクールは”つながり”を生む場に
スクールの開講にあたり、小暮は「地元(埼玉県深谷市)でやりたいと思っていました」と、明確な考えを持っていた。 「県北の野球の力が落ちてきていると感じています。地元で育った選手が甲子園やその先のレベルでプレーしたり、地元の学校が強くなることで(地域の)活性化につなげていきたいと考えていました」 使用しない倉庫をリフォームし、昨年11月についに開業した。スクール名は”つながり”を意味する「Link BASEBALL ACADEMY」とした。 「自分一人でここまで来れたわけではなく、いろんな人とつながりがあったからこそと思っています。恩返しと、ここからたくさんの縁が広がる場所にしたいと思ってスタートしました」 今は深谷市や近隣の熊谷市の小中学生が門を叩いている。運営方針で大切にしていることを明かしてくれた。 「一番は少人数制というのを大切にしています。来てくれた生徒により身になってほしいので最大3人程度にした方が量も質も担保できると考えました。 数をこなしてとにかくたくさん経験をする。失敗もそうですし、成功体験もそうです。それが次につながって質を高められると思うので」 具体的に教えている内容は、打撃と守備に加えて体幹や柔軟性を高めるトレーニングの3種類。野球に役立つ体の使い方とともに、技術向上に向けて自らの経験を惜しみなく伝えている。 ただ、自身の教えを絶対だとして押し付けたりは決してしない。 「子どもたちには何色にも染まってほしくないという想いがあります。自分が教えている立場で何ですが、”疑い”を持ってほしいなと。自分の教えをやってみて、いいと思ったら続ける。 そうでなければ別の方法を試してみればいいですから。子どもたちに選択肢を与えることを大切にしています」 今の仕事のやりがいについてこのように語った。 「子どもたちが結果を出してくれることが一番嬉しいです。ある生徒はチームで主に6年生・5年生含めて20人以上いた中で、ただ一人4年生で選ばれたと言ってもらった時は鳥肌が立つほど嬉しかったです」
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