正体不明のドローン、相次ぐ目撃に不安増大 「イラン母船」説は米国防総省が否定
(CNN) 米ニュージャージー州の上空で数週間前から正体不明のドローンが相次いで目撃され、住民や軍、地元自治体が警戒を強めている。連邦と州の合同捜査が続く中、11日には州議会議員らに対する説明会が行われた。 ドローンの正体が不明なことや、軍の施設の近くで何度か目撃されていることを受け、州議会議員からは連邦当局に対して説明を求める声が強まり、住民や当局者の間でもさまざまな臆測が飛び交った。 米国防総省は11日、外国の組織や敵のドローンだとする見方を否定した。その数時間前、ニュージャージー州選出のジェフ・バン・ドルー下院議員(共和党)はFOXニュースに対し、ドローンは米東海岸沖にいるイランの「母船」から発進されていると語っていた。 この発言について国防総省のサブリナ・シン副報道官は11日、「真実は一切ない」と断言。「米国の沿岸沖にイラン船はいない。米国に向けてドローンを発進している、いわゆる母船は存在しない」と言い切った。 米連邦航空局(FAA)によると、不審なドローンが最初に目撃されたのは11月18日、ニュージャージー州モリス郡付近だった。住民は、上空を飛行するドローンが頻繁に目撃されており、集団で飛行することもあると伝えている。 国防当局者や州議会議員によれば、米軍の研究施設付近やベドミンスターにあるドナルド・トランプ次期大統領のゴルフ場上空でもドローンが目撃されたことから警戒が強まった。目撃情報を受け、FAAは一時的にそうした施設上空の飛行を制限した。 11日の説明会に出席した議員によると、最大で直径約1.8メートルのドローンが目撃されたこともあった。 ドーン・ファンタジア州議会議員は、ニュージャージー州警察本部で11日に、ドローンの動きの特徴や連邦当局の対応について説明を受けたことを明らかにした。 フィル・マーフィー州知事は、公衆の安全を脅かす事例は確認されていないとしているが、議員らからはさらに詳しい説明を求める声が強まっている。 コリー・ブッカ―米上院議員(民主党)は10日、米連邦捜査局(FBI)長官と国土安全保障長官、運輸長官に書簡を送り、捜査内容に関してさらなる情報の開示を求めた。 FBIは市民に対し、ドローンに関する情報の提供を求めている。 10日に開かれた米国土安全保障委員会の委員会で証言したFBIの高官は、ドローン現象は「懸念される」としながらも、「公衆安全上のリスクと認識させるような」事案は確認されていないと説明した。