クラシック三冠の“最終戦”となる菊花賞、G1初挑戦となる期待の上がり馬ヘデントールを主力に抜擢したい!
菊花賞に臨む馬にとって470~480キロの理想的なサイズを持つのは?
今年の有力馬には、不思議なことに500㎏を超える大型馬が目に付く。ことしの出走予定馬に前述の傾向を当てはめてみると、ダノンデサイル(日本ダービー時504㎏)、コスモキュランダ(セントライト記念時504㎏)、アーバンシック(同510㎏)の3頭がこのフィルターに引っかかる。 もちろん、始動戦をひと叩きされて馬体が絞れたり、輸送で体重を落とす馬もいるため、当日には500㎏を割り込んでくるケースがあるかもしれないが、17日に発表された調教後の馬体重によると上記の3頭とも500㎏をオーバーしているため(ダノンデサイルは526㎏、コスモキュランダは510㎏、アーバンシックは515㎏)、ここでは3頭を思い切って”対抗”か”押さえ”にまわしてみたい。 本稿で主力に抜擢したいのは、470~480㎏という菊花賞へ臨むには”理想的”なサイズとスタイルの持ち主、ヘデントールだ。 8月17日の日本海ステークス(3勝クラス、新潟・芝2200m)の内容が圧巻だった。前半は1000mの通過が61秒9という超スローペースの3番手を進み、直線半ばで楽々と先頭に躍り出ると一気に後続を突き放し、最後は手綱を抑えたまま2着に3馬身半の差を付けて圧勝。後半の1000mは57秒5という上がりの競馬で後続をぶっちぎったレース内容は、菊花賞のペース傾向に向いているのは間違いなかろう(自身の上がり3ハロンは33秒6)。ちなみに昨年の菊花賞を制したドゥレッツァも日本海ステークスをステップに大輪を咲かせている。 ヘデントールの木村哲也調教師は共同インタビューで、「もともと期待が高かったなかで、8月のあの時期に(日本海ステークスを)勝ち切れたのは、菊花賞を見据える上では、良い意味でギリギリの時期に条件戦を勝つことが出来たなと思います。菊花賞に向かうにあたって(レース間の)時間ももらえるので、前走勝った時点で菊花賞に向かう価値はあるのかな、と思っていました」と期待語り、父ルーラーシップ、母の父ステイゴールドという血統も「普段から調教しているなかで、特にスタミナの面では両親から良いところを貰って、かなり良いものを持っていると思います」と自信をのぞかせている(発言は要旨)。 それなりに人気にはなりそうだが、デビュー以来ずっと2000m以上のレースを使い続けられた中長距離の申し子、ヘデントール。外の16番枠に入るという試練もあるが、GⅠ初挑戦となる”上がり馬”に一発を期待したい。 〔追記〕 穴人気する気配があるショウナンラプンタ(牡3歳/栗東・高野友和厩舎)も押さえにはマークしたいが、神戸新聞杯(2着)時の馬体重が530㎏という名うての大型馬なので、評価は割り引いておきたい。 また、土曜日の京都は雨のち曇りの天気予報が出ているが、日曜日にも馬場の渋化が残るなら、重上手で、最終追い切りで抜群の動きを見せたメイショウタバルが一気に浮上する可能性も。したがって馬券的な評価を一段階上げる必要がありそうだ(ちなみに同馬の神戸新聞杯時の馬体重は496㎏と、わずかながら500㎏を切っている)。 (10月19日筆) 取材・文●三好達彦
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