石破首相に自民幹部が懇願直言「原点の石破茂に戻って」「ちょっとオタクな所が…」衆院予算委
「総理になって2カ月、残念ながら石破総理の良さが出ていない」 石破茂首相が就任して初めてとなる衆院予算委員会が5日、開かれ、自民党から質問に立った小野寺五典政調会長が、石破首相の首相就任前と後を比較しながら、「原点の姿に戻ってほしい」と直接訴えかけるひと幕があった。 小野寺氏は質問のラストで「私は長い間ずっと、石破総理を見て参りました。国民のみなさんに人気がある姿も見てきました」と語りかけ「なぜ石破総理が人気なのか。人の話を聞く。じっくり相手と向き合う。さらにちょっとオタクな所がある」。 石破氏特有のキャラに触れながら「何か身近な存在で、この人なら私たちの話を聞いてくれる。同じ目線で、近くにいるオジサンとよく似ている。これが親しまれる石破さんの姿だと思う」と訴えた。 その上で「でも、総理になって2カ月。残念ながらその良さが出ていないと思う」と、指摘した。 小野寺氏は石破氏と同じ防衛相経験者で、安全保障分野の政策立案を通じて親交がある。小野寺氏は「私がお願いしたいのは、原点の石破茂に戻って、SPの方が怒るかもしれないが、地方に行って車座でじっくり話を聞いて、酒をくみかわし、おしかりを受けて、それを腹にすえてこの国の形を考えていくことだ」と呼びかけた。 英国のチャーチル元首相の伝記で、難局時に地下鉄に乗って市民の声を聞いていたという姿が描かれたことを引き合いに「今やるべきことは、この国会の議論も必要ですが、役所の意見を聞くのも大事ですが、石破茂本来の、地方を回って車座でいろんな声を聞いて、思いを共有すること。ぜひ、いい日本の政治にしていただきたい」と訴えかけた。 石破首相は自席で、笑みを浮かべながら「盟友」でもある小野寺氏の直言を聞いていた。