<速報>42歳の“番長”三浦が1回に7安打6失点の大炎上
球界最年長選手である横浜DeNAの三浦大輔(42)が11日、横浜スタジアムで行われた中日戦に今季初先発したが、その立ち上がりに7安打6失点の大炎上。記録となる24年連続勝利へチャレンジしたゲームだったが、ひとつのアウトを取るのに苦労する厳しい現実を突きつけられることになった。それでも2回以降立ち直ったことをラミレス監督は評価。他の3投手との兼ね合いで再チャンスの可能性があることを示唆した。 悲劇は、ひとつのミスから始まった。中日のトップバッター、大島の一塁線を襲った打球をロペスがグラブにあてながらはじき、二塁を許してしまった(記録はヒット)。いきなりの無死二塁。続く堂上は、バントをファウルしたあとヒッティングに切り替え、一、二塁間を破られた。わずか5球で1失点。 3番の平田を外にコントロールした133キロのストレートで三振に打ち取ったところまではよかったが、ビシエドにも、一、二塁間にヒットを許し、森野もライト前ヒット。投手コーチがマウンドに向かって間をとったが、ここで福田に低めを狙った変化球をショートの頭上へ、もっていかれて、2人が生還した。 ストレートの質に加え、変化球がタイミングを外す鋭さを持って動かないので、まるでバッティングピッチャー状態である。さらに一死一、二塁と続くピンチで、エルナンデスに、左中間スタンドに3ランを浴びる。走者がいなくなって、仕切りなおしのはずが、杉山にもセンター前へとヒットを落とされ、試合が終わらない。バルデスには、嫌らしくバントで送られ、二死二塁とされて打者一巡。再びトップに戻った大島を二塁ゴロに打ち取り、ようやく長い長い1回が終了した。 試合前、ラミレス監督は「5、6回は投げてもらいたい。存在感のあるピッチャー。チームに影響を及ぼす。現役時代も彼を打つのには苦労をした。とくに外国人選手は」と期待を口にしていたが、立ち上がりにゲームを潰して、その期待を裏切る形になってしまった。ファームで11試合に登板、1勝5敗、防御率5.68と結果を残せなかったが、「三浦みたいな駆け引きで勝負するタイプのピッチャーは1軍よりも何も考えてこないファームのほうが結果を出すのは難しい」という声が強かった。9連戦で今季の先発未経験者を抜擢せざるを得ない苦しい投手台所事情の中で巡ってきたチャンスだったが、プロ25年目の番長は、持ち前の駆け引きを使った“職人技”を繰り出す前に沈没してしまった。 だが、6点差を自らのバットで返そうと、二回二死一塁から今季初打席でレフト前ヒットを記録した。これで、24年連続安打記録となり、これまで23年連続で並んでいた張本勲、衣笠祥雄、門田博光、川相昌弘の記録を抜き、歴代4位タイとなる大島康徳の記録に並んだ。三浦は、「安打の記録も気にしていない。チームが勝つこと。それで自分に勝ちがつけばいい」と語っていた。ピッチングでゲームを作り、連続安打記録のプラスアルファがつけば言うことがなかったのだが……。