加部究のフットボール見聞録「駿足は本当に才能なのか?」
陸上選手以外にも足が速くなりたい人は溢れている
以前は自他ともに認める鈍足だった岡崎も、杉本龍勇氏(元陸上選手)の指導を受けて走り方を改善。技術を知って変わった。(C)Rafa HUERTA
名だたる日本のファンタジスタたちは、もしかすると駿足でなかったからこそ、全体を俯瞰でとらえる術を身につけたのかもしれない。ただし反面、クリスチアーノ・ロナウドもリオネル・メッシも、圧倒的なスピードでボールを運びながら味方の動きも敵の穴も見つけている。世界に目を転じれば、駿足とファンタジーはしっかりと共存している。 実は陸上選手以外にも足が速くなりたい人は溢れている。おかげで現役アスリートなのに、引く手あまたで多忙を極める人がいる。和田賢一は、ビーチフラッグスで世界最高峰の全豪選手権で準優勝した。世界で2位は金字塔だが、それでも和田は敗因を探った。近所の公園で「10万回は繰り返した」というスタートダッシュでは圧倒した。 しかし走りの部分が劣勢だった。当時100メートルのベストタイムは11秒8。なんとか10秒台で走りたくて、片っ端から陸上クラブなどに連絡をするが、返ってくる
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