女子サッカー過去最高額を牽引するWSL。長谷川、宮澤、山下、清家…市場価値高める日本人選手の現在地
再認識される日本人選手の価値
今回、試合を見た5人の他にも、リバプールの長野風花、今季エヴァートンに移籍した林穂之香、ウェストハムの植木理子、レスターを主力として支える籾木結花と宝田沙織らは今季、レギュラーとしてピッチに立ち続けている。WSL5連覇中のチェルシーに所属する浜野まいかも、公式戦2試合連続ゴールと好調だ。 WSLの局面のインテンシティの高さを見れば、厳しい競争の中でポジションを確立することはもちろん、フットボールを愛するサポーターの支持を得ることの難しさは想像に難くない。彼女たちがなでしこジャパンで主力となり、ワールドカップやオリンピックで、日本が1対1に勝つ場面が増えたのも必然だろう。 「アストン・ヴィラやブライトンなど、しっかりとパスをつなごうとするチームは昨季よりも増えている印象があります」 長谷川が言うように、WSLのトレンドは緩やかに変化しているという。その中で、日本人選手の価値が再認識されている面もあるのかもしれない。予測の質、精緻な技術、戦術的柔軟性。共通するスキルとそれぞれの武器を磨いた選手たちが、競争力を増すリーグでどんなふうに道を切り開いていくのか、WSLから今季も目が離せそうにない。 <了>
文=松原渓[REAL SPORTS編集部]