「今後も混乱続く」「事実解明を」兵庫県知事選から一夜明け、県職員や議会関係者の懸念
17日に投開票された知事失職に伴う兵庫県知事選で、再選を果たした無所属前職の斎藤元彦氏(47)。今回の選挙は斎藤氏を巡る告発文書問題に端を発した。その疑惑は完全に晴れていない中、県職員や全会一致で不信任を決議した県議たちは、斎藤氏を押し上げた「民意」に向き合うことになる。 【写真】ユーチューブで勝利宣言。ガッツポーズする斎藤氏 「今後も混乱が続くのではないか」 斎藤氏の再選にこう懸念を示した県の男性職員は、不信任決議案を可決した県議会との関係修復に不安が残るという。「議案が否決されるような状況が続けば、県民へのサービスも滞ってしまう」。文書の真偽を究明する県議会の調査特別委員会(百条委員会)ではこれまで、県職員が実名で証言してきただけに、「事実を解明してほしい」と言葉は少ない。 全会一致で不信任を決議した県議会。最大会派・自民党の県議は「議会や職員とのコミュニケーションを改善するか、その姿勢があるかは見ていかないといけない」と話した。不信任を突きつけた県議会に対し、斎藤氏を支持した民意は厳しい視線を送った形となっただけに、「今後の施策や議案については是々非々の対応をしていく」と話すにとどまった。 県議の多くが、斎藤氏と競った同県尼崎市の元市長、稲村和美氏を水面下で支援した公明党県議団。幹部の一人は斎藤氏の再選について「民意が示された結果。しっかり受け止めたい」と語る。今後の斎藤県政に対しては、「不信任は県政混乱の収束が大きな目的だった。この点について知事としてどういう努力をするのか見ていきたい」と話した。 前参院議員、清水貴之氏に出馬を要請し、選挙戦でも支援した維新の会県議団の幹部も、「民意を尊重したい」と冷静に受け止める。一方で、SNS(交流サイト)を駆使し、うねりのような支持を得た斎藤氏の戦い方と結果に、「これまでになく誹謗(ひぼう)中傷合戦がひどかった。ほめられた形ではないが、今後の選挙でもこうした戦いが増えていくのだろうか」と危惧した。